5,死を否定せず、受け入れて生きる
あなたが愛する人の死を否定し続けるかぎり、あなたも故人も救われません。
あなたは死を恨み続け、故人は死んだことを、あなたに責め続けられているからです。
ブッダの父、シュッドーダナ王が、必死になって我が子に知らせないようにしたことは「死」でした。父シュッドーダナ自身が死を恐れていたからです。
でも、「死は恐れるべきことではない。いつかは必ず誰にも訪れることであり、自然なことである。恐れるべきことは、死ではない。まだ明日があると思っていい加減に生きること。過去にとらわれ、未来を憂いて、今をちゃんと生きないこと。なすべきことを成さず、怠惰に生きること。愚痴多く、他を恨んだり、批判したりして、自分を顧みないこと」
それが、死を受け入れ、死を完全に超えた、ブッダのメッセージでした。
悲しみは簡単には癒えないけれども
もちろん、そんな簡単に悲しみが癒えるわけではありません。
でも、このブッダのメッセージを真に理解したならば、あなたの「生」が変わるはずです。
たとえ泣きながらでも、「なすべきことは、愛する人の死を嘆き続けることではない」と分かるからです。
あなたがあなたのために、そして故人のためになすべきことは、ちゃんと生きること。
遺族が健康に、明るく、仲良く、強かに生きること。それこそが故人にとって、最高の供養なのですから。