それでも相手の機嫌を損ねてしまったら…
「はっきり断る」+「理由」+「謝罪」+「代案」で、どんなにきちんと断っても、中には機嫌を悪くしてしまう人もいるでしょう。もし気まずい雰囲気になった場合でも、継続的にコミュニケーションを取らなければいけない相手であれば、できるだけその人を避けたりせずに、こちらから積極的に話しかけていくことが大切です。
それでも相手の態度がひどいものだったら、どうすればいいか?
対人関係は、車の運転のようなものです。こちらがいくらきちんと交通ルールを守って走っていても、相手が勝手に暴走してぶつかってくることがあります。トラブルを完全に避けることは、誰にも不可能なのです。
暴走車だなと思ったら、なるべくそばに寄らない、関わらないようにするしか手はありません。
一番大切なのは相手も自分も傷つけない「言葉の選び方」
ここまで、上手な「断り方」についてお話をしてきましたが、人との会話やコミュニケーションにおいて一番大切なのは、人を傷つけたり・傷つけられたりしない言葉の選び方、使い方を身につけることです。
何かを断る場合でも、相手を不快にさせない、傷つけない伝え方ができれば、自分自身も相手から傷つけられたりすることなく、良い人間関係を続けていくことができるでしょう。
本書では、今回お話した「断り方」以外にも、上司や部下、同僚や友達、夫婦や親子の会話などさまざまなシーン別に、人を傷つけてしまう「損する言葉」を「好かれる言葉」に言いかえる方法をご紹介しています。詳しくは書籍の中でご説明していますが、「極端語を使わない」「質問形式で責めない」など、ちょっとしたコツを取り入れるだけで、人間関係はぐんとスムーズになります。
「傷つく」と「傷つけられる」は表裏一体です。相手を傷つける攻撃的な言葉を使えば、傷ついた相手から同じようにきつい言葉で攻撃されるという悪循環に陥ってしまいます。
逆に、人を傷つけない言葉、やわらかい言葉を使うようにすれば、相手からもあたたかい言葉や反応を返してもらえるようになり、職場や家庭、友人関係など、さまざまなところで好循環が生まれるようになるでしょう。