10個のアメを減らさないように、堅実に賭ける
「ブラックジャック」はカジノでも人気のゲーム。その仕組みを、お父さん流に簡単にしてゲームが始まりました。アメを賭けているので千晶ちゃんは真剣です。
最初に良い数字が来たので勝てると思い、なんと無謀にも5個のアメを賭けました。ところが、結果はお父さんの方が21に近い数字だったので、負けて5個のアメを取られ、残りは5個になってしまいました。
そこで千晶ちゃんはもうちょっと慎重になって、勝てると思ってもアメは1個ずつ賭けるようにして、確実にお父さんからアメを取り返していきました。
そうやって、アメが13個になった時に、千晶ちゃんは思い切ってアメを3個賭けました。
「3個も賭けて大丈夫か?」
とお父さんが言うと、千晶ちゃんは笑って、
「大丈夫、3個なくしてもまだ10個あるから、スタートに戻るだけ」
残念ながら、3個のアメはお父さんに取られてしまいましたが、そこからはまた慎重になってアメを賭けるのは1個ずつにし、10個よりもアメの数が増えていたら、増えたぶんを大きく賭けるという作戦で、なんと千晶ちゃんは最後にはお父さんが持っているアメをすべて奪うことができました。
常に、最初もらった10個のアメを減らさないようにしながら賭ける千晶ちゃんを見て、お父さんは「この子はなかなか堅実な勝負をする」と感心しました。
ゲームを使えば安全に「リスク」を体験できる
千晶ちゃんの家では、トランプのほかに、花札や双六など月に何回かは家族みんなでゲームをします。そのたびに、アメを賭けたりミカンを賭けたり、いろいろなものを賭けて遊びます。
一番みんなが喜んだのは、「モノポリー」という財産版人生ゲーム。あらかじめおもちゃのお金を配り、サイコロを振って、出た目の数だけ進むのですが、止まったところに指示があり、そこで土地を買ったり募金をしたり、税金を払ったり、家を建てたりします。その家を売ったり、貸したりするとお金が入ってきて、大金持ちになったり破産したりしますが、破産した人は負けになります。
最初は千晶ちゃんには難しかったのですが、学年を経るに従って「コンサルタント料」とか「権利書」とか「抵当」などの言葉もわかり、「交渉」もできるようになってきました。
今はさまざまなゲームが売り出されています。「モノポリー」のように、人生でいろいろと起きそうなことを想定してゲームできるものも増えています。
まずは、こうしたもので危なくないようにさまざまな「リスク」を体験させ、慣れたら実際に投資に進むといった順番がいいのではないでしょうか。