アマゾンケアに対抗する手段はあるのか

簡単に説明すれば、スマートフォンだけであらゆる医療サービスを受けられるもので、リアルな医療サービスを提供するために、医師や看護師といった医療の専門家も迎え入れています。

アマゾンは「質の高い医療サービスをこれまでよりも安い価格で提供していく」と明言しています。当然ですが、これまで一般的な保険に入っていたアマゾンの従業員はもちろん、他の人たちも、同等の保障内容なら料金が安いほうに移るでしょうから、従来の保険会社は一気に顧客を失うことが予想できます。これから従来の保険会社が生き残るにはどうすればよいのか、真剣に考える必要があるでしょう。

ヘルスケアビジネスのコンセプト
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解の一つは、GAFAが持つデータを利用させてもらうために協業することです。しかし、GAFAが保険会社と組むことは考えにくい。過去の歴史から見ても、彼らは突出した技術やサービスを持つベンチャーとは組みますが、既存の大手との協業は大成功にはなっていないからです。

彼らから見ると、既存の保険会社のアセットは魅力的に映りません。大勢の加入者を抱えているとはいえ、自分たちがよりよいサービスを提供すれば、GAFAのサービスのユーザー数のほうが圧倒的に多いですから、時間をかければ覆すことができます。

一方で、これまでのGAFA同士の争いを見ていると、どこか1社が抜け出すと、2番手、3番手の企業は他社と組む傾向にあります。ただし、アマゾンがヘイブンを解散したように、うまくいかなければ連合を解散される結末も予測されます。

では、どうすればいいのか。

自分たちでデータの取得から新しい保険の設計まで手がけるしかありません。その点では、中国の平安(ピンアン)保険が参考になります。