「対中政策に全集中」のはずが、中国を利する結果に

その一方で、アフガニスタンがタリバンに掌握されたのち、中国の国営メディアは国際世論における米国の信頼感は低下したとして台湾を揺さぶろうとする論評を出した。一党独裁体制を維持し、国内での求心力を維持したい習近平国家主席をはじめ共産党指導部にとって、アフガニスタン戦争における米国の敗北は大きな追い風だろう。

バイデン政権は、アフガニスタンからの撤退計画を入念に準備し、さまざまな展開に確実に対応して作戦を実行し、国際世論の安心を保つことができなかった。その意味で、今回の撤退作戦はバイデン政権の失策であり、求心力を低下させる要因だ。今後、アフガニスタン国内情勢が一段と不安定化し、それが中東地域にも広がればバイデン政権への批判はさらに増す。それは、対中政策への集中を目指すバイデン政権にとって足かせとなるだろう。

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