「あおり運転」の被害に遭わないためにはどうすればいいのか。モータージャーナリストの菰田潔さんは「前方にクルマがいないのに追い越し車線を走り続けるなど、無自覚に『あおられ運転』をしているドライバーも多い。あおり運転を誘発しないことも重要だろう」という――。
あおり運転を誘発するドライバーたち
2020年6月に道路交通法が改正され「あおり運転」に厳罰が課せられることになった。
正確には「妨害運転罪」が創設され、これまで取り締まる規程がなかったあおり運転に対して危険がともなう悪質なケースでは5年以下の懲役または100万円以下の罰金、違反点数35点、運転免許の取り消しなど非常に厳しい罰則が適用されることになった。
これで日本の道路からあおり運転が劇的に減るはずだった。しかし1年を過ぎたいまでもあおり運転と思われるシーンを見かけることがある。テレビやネットでもたびたび動画がアップされ、注目を集めている。
ドライブレコーダーの映像によってあおり運転の状況が可視化され、加害者だけがクローズアップされているケースが多いが、その加害者は誰にでもあおり運転をしているわけではない。ということはあおり運転を誘発しているドライバーが被害者になっている可能性が高いのではないだろうか。
この「あおられるリスクがある運転」が今回の重要なテーマだ。