注目を集める戸建て賃貸

では何を買っているかというと、富裕層の投資意欲が強いのが、たとえば戸建て賃貸です。リモートワーク・テレワークの浸透の影響か、地方郊外の一戸建てが動いているからです。

大手企業が賃貸契約満了を迎えるタイミングでオフィスの縮小に動いているようなので、自宅でオンライン会議をする際、近隣への配慮や書斎確保の必要性から、集合住宅から戸建てに移る人は増えるかもしれません。

つきあいのある不動産業者に聞くと、分譲戸建は建てれば売れると言っていました。

そのため投資家の中には、取得して貸す賃貸経営のみならず、余っている郊外の戸建てを安く取得し、リフォームして高値で転売する人も出てきています。

人気が再燃している別荘民泊

軽井沢・葉山・富士五湖周辺を代表とする別荘地への投資も比較的人気です。

前述の通りコロナの影響によるリモートワーク・テレワークの浸透で、都心から抜け出す人が一定数いるため、別荘を取得し普段はワーケーション民泊として貸し出しています。

本人が利用するケースもありますが、こうした定番の別荘地はそもそもヨソ者が多いため、他の地方ほど排他性がなく住みやすい点が魅力です。そして定番であるがゆえに資産価値が保たれやすく、売却も容易だという読みもあるのでしょう。

また、ここ何年もの間、日本の森林資源の活用が進まなかったこともあり、所有者も高齢で相続に難航したり管理にも困っているなどといった理由で、山林の価格は大きく下落していました。場所にもよりますが、一山数十万円といった物件もあり、普通のサラリーマンでもお小遣いで買える値段の山林がゴロゴロあります。

自然公園のキャンプ場にフィールドテント
写真=iStock.com/Prapat Aowsakorn
※写真はイメージです

そこで、昨今のキャンプブームとコロナ禍に乗る形で山林を買い、キャンプやグランピング施設を作って貸し出している人もいます。3密も回避できるので人気のようです。