無意識に、糖質を次々とカゴに入れていないか?

肥満大国アメリカのスーパーには、巨大なピザ、大袋のパスタ、冷凍ポテトなど、安価な炭水化物がたくさん積んであります。飲み物の棚にはコーラなどの砂糖たっぷりの清涼飲料水がビッグボトルで並んでいます。そして、太った人たちは、こういうものを次々とカゴに入れていきます。

彼らは、単純に食いしん坊で量を摂り過ぎているのではありません。「糖質摂取をやめられない」のです。

日本人も同様で、多くの人が糖質の摂取過剰で、その原因が脳にあります。

なんと言っても、日本人は炊きたての白いご飯が大好きです。おにぎりもお寿司も大好きです。

うどんやそば、ラーメンの店はあちこちにあります。

ラーメン
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さらには、パンもケーキもどんどん美味しくなって、コンビニスイーツの人気も目を見張るものがあります。

加えて、清涼飲料水、缶コーヒー、ジュース、エナジードリンクといった糖質の塊を、ちょっとした休憩時間に自動販売機で簡単に買えます。

こうした環境が、あなたを太らせているのです。

もっとも、最近は「肥満の原因物質は糖質である」ということを理解している人は増えてきました。

しかし、理解は深まったのに一向にやせられない人がたくさんいます。なぜ、やせるのは難しいのでしょうか。

糖質には「強い中毒性」がある

過去に多くの人がダイエットに失敗してきた大きな原因は、そもそも方法論が間違っていたことにあります。

長い間、「やせるためにはカロリー制限が必要だ」と言われてきました。カロリーを制限すれば空腹になり、それを我慢して続けることは難しく、反動で大食いするというケースが多々見られました。未だにこの間違った理論に従っている人にとって、やせるのが難しいのは当然の話です。

一方で、「太るのは糖質を摂り過ぎているからだ」ということを知っていてもやせられない人がたくさんいます。そういう人たちは、「太るのはわかっているけれど」という前置きをした上で、こんなふうに言います。

「定食の大盛りご飯を残すのはなんだかもったいない」
「どうしてもランチは麺類や丼物になってしまう」
「新発売のお菓子チェックは楽しくて」
「清涼飲料水を飲むのは大事な気分転換だし」

ご飯、麺類、お菓子、清涼飲料水……といったものが糖質の塊であり、太るとわかっていながら摂ってしまう理由について、そもそもまったく理解していないのです。