国軍支配への逆戻りを嫌う世論が支配的

8月3日付の毎日新聞の社説は「NLDを排除して国軍系政党に勝たせ、形ばかりの民政移管を演出しようとしているようだ。だが恐怖政治の下での自由で公正な選挙はありえず、国際的にも認められない」と訴え、現状を「国軍は、国民意識の大きな変化を見誤っているのではないか。当初はデモ隊を力で抑え込めると考えていたのだろうが、現在も監視の目をかいくぐって短時間のデモが続く」と書く。

間違いなく、「形ばかりの民政移管」であり、ミャンマー国軍の行動は、民主主義の国家では決して認められない。国際社会ではならず者扱いされる。

国軍は民主化を求める市民の力を恐れるからこそ、圧政を敷くのである。民主主義は独裁体制に打ち勝つ。歴史がそれを証明している。ミャンマーでも最後にはアウン・サン・スー・チー氏ら民主派勢力が勝利を収めると、沙鴎一歩は信じている。

国軍の暴力をこれ以上、許してはならない

毎日社説も「半世紀近く続いた軍政が10年前に終わり、人々は民主化を経験した。国内外の情報にも自由に接することができるようになり、国軍支配への逆戻りを嫌う世論が支配的になっている」と指摘する。ミャンマーの民主派はSNSを駆使して水面下での連携を強めている。国軍はこうした市民の動きを無視できないはずだ。

毎日社説は「クーデター以降、国際社会は有効な手を打てずにいる」と書くとともに日本政府に対しても「日本政府は国軍とのパイプを生かして民主派との対話を促してきたというが、具体的な動きは見えない」と指摘し、最後にこう主張する。

「国軍の暴力をこれ以上、許してはならない。ミャンマーの混乱と圧政に一刻も早く終止符が打たれるよう、国際社会が圧力を強める時だ」

日本と欧米の民主主義の国々が力を合わせてミャンマー国軍を抑え込むことができれば、それは反国際社会的な振る舞いを続ける中国・習近平政権への大きな打撃にもなる。対ミャンマーという小さな枠組みではなく、対中国も含む民主主義vs.独裁体制という構図の中で対処していきたい。