「1年に1回はきつさを超える日がないとその1年間は成長できない」

今年6月の日本選手権では異例ともいえる3種目にチャレンジを見せている。大会2日目の女子1500mを4分08秒39で連覇を果たすと、大会3日目は女子800m予選2組を2分07秒23でトップ通過した。大会4日目はまず女子800m決勝に出場(2分04秒47の3位)。レースから約40分後には女子5000mにも挑戦して、15分18秒25の3位でフィニッシュしている。東京五輪の戦いを見据えて、あえて過密スケジュールのなかで連戦を経験したのだ。

「今季は自分を超えるような練習ができていなくて葛藤もあったんですけど、新しいことにやっと前向きに取り組むことができました。1年に1回はきつさを超える日がないと、その1年間は成長できない。今日はそんな日になったと思います。(この経験が)東京五輪の予選・決勝という戦いに生きてくるのかな」

田中の予感は的中することになる。東京五輪では前代未聞の快走を連発しているのだ。残るレースは今夜(8月6日の19時50分)の1500m決勝。21歳の田中が世界の怪物たちが本気になるレースでどんな走りを見せるのか。そして、今後どんな進化を遂げるのか。楽しみでたまらない。

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