「出世したいなら上司から可愛がられろ」は本当か?

読者の中には、こう考える人もいるかもしれません。

「組織人が周囲と戦ってばかりいたら、結局は自分が排除されるだけでは?」
「そこまでハイリスクな戦いを挑まなくても、もっと穏便なやり方があるのでは?」

特にこれまで修羅場らしい修羅場を経験せず、順調に管理職になった50〜60代の人ほど、こうした疑問を持つかもしれません。

でも、断言しましょう。

修羅場を避けて、空気を読みながらうまく立ち回ることで出世してきたリーダーは、これからの時代は生き残れません。

かつての終身雇用・年功序列の時代なら、上の言うことを聞いて波風立てずにいれば、いずれそれなりの役職をもらえました。上司のご機嫌をうかがい、可愛がられる存在になれば、「お前もそろそろ役員にしてやろう」と引き上げてもらえたのです。

自分で決めた経験がない管理職は結果を出せない

しかし、そんな時代はとっくの昔に過ぎ去りました。

成果を出せない社員を優遇するような余裕はどの会社にもすでになく、社内のポストもどんどん減っていっています。

そんな中、なんとか管理職のポストに就くことができても、結果が伴わなければすぐにポストを追われることになります。

波風立てずに生きてきたということは、「自分で決める」「反対を恐れずにやり抜く」ことをしてこなかったということでもあります。そうした人が組織のトップになって修羅場に直面すると、決めることも実行することもできず、身動きが取れなくなってしまうのです。

戦いから逃げ続けてきたために、いざ戦いを率いる立場になった時に成果が出せない。

最後は「管理職失格」の烙印を押されて、せっかく手に入れたポストを追われるのです。