文政権以上に日韓関係が悪化する可能性も
李在明氏は知事時代から「忘れたころに毒キノコのようによみがえる過去史妄言もまた、親日残滓をきちんと清算できなかったから」と発言するなど、抗日(いわゆる反日)政策を重要視してきた。
「李在明は2019年から京畿道で『親日残滓清算プロジェクト』を進めてきており抗日政策を重視していました。プロジェクトの調査では『親日人物257人』、『親日人物が作った校歌89曲』などが批判のやり玉として挙げられた。彼が大統領になったら文在寅政権以上に日韓関係は悪化する可能性が高いと言われています」(同前)
李在明氏は与党「共に民主党」の大統領候補ではあるが、文在寅政権とは距離があり党内基盤は弱いとされている。しかし、大衆人気が高いことで韓国メディアでは「大統領選の本命」と見る向きもある。
文政権後継として期待されるエリート李洛淵元首相
現在、第三の候補として注目を集めているのが李洛淵(イ・ナギョン)元首相(68)だ。先に紹介したリアルメーターの調査では李洛淵氏は16.0%の支持を集め3位となっている。尹前総長の支持率27.5%、李知事の25.5%とはやや差があるが、今後の情勢次第では十分に挽回可能な位置にいると言える。
李洛淵氏は7月5日に大統領選への出馬を正式表明し、文在寅政権の正統後継候補として名乗りを上げた。
「李洛淵氏は金大中(キム・デジュン)政権下の2000年に与党から国会議員選挙に出馬し初当選。盧武鉉政権では報道官を任され、文在寅政権では首相を務めた左派政党のエリート議員です。文在寅大統領の支持率40%を支えてきた『岩盤支持層』と呼ばれる層は、親文派である李洛淵氏に好意を持っているとされ、反文派である李在明には嫌悪感を示しています。長らく与党内で次の大統領候補と言われてきた政治家が李洛淵氏なのです」(前出・韓国人ジャーナリスト)
先に紹介した東京五輪組織委員会の竹島表記を巡り、李洛淵氏は「日本が最後まで拒否した場合、韓国政府は五輪のボイコットなど断固たる対応を取らなければならない。独島に対するわれわれの主権を守るためにできる全てのことをする」と猛批判した。文在寅政権の後継を意識するあまり、その発言を先鋭化させているのだ。