しかしできない理由を説明する人のために、企業は給与を支払っているわけではありません。どうすれば実現できるかを考えて行動を起こさないと、使えない人の典型になってしまいます。
③失敗を避ける意識が強くなる
学生時代を通じて失敗した経験がないと、新たなことに挑戦する意欲よりも、失敗することを恐れてしまう人が出てきます。これが行動力につながらない理由です。
④自分と違う人を受け入れられない
高学歴の人の中には、自分は頭がいいのに会社から正当な評価を受けていないと感じてしまう人が現れます。この思いがつのると、鬱憤がたまっていきます。
その結果、
「うちの上層部はバカばっかりだ」
「自分ならこうはしない」
「この会社には先がない」
「こんな会社なら、いつでも辞めてやる」
といったことを口に出す人が生まれます。
周囲の人たちからは、
「そう思うなら自分でやればいいのに」
「挑戦もせずに、批判ばかりしている人だ」
と思われ、結果として孤立していきます。
高学歴社員と職場の距離がますます広がる悪循環
⑤無自覚な上から目線とマウンティング
学生時代に他人よりも優秀だったという経験が、時に人を傲慢にさせることがあります。
「(二流校のくせに)生意気だ」
「そんなことも知らないのか」
「それくらい常識でしょ」
「レベルが低いよ」
こうした表現がつい口に出てしまったり、心の中でつぶやいたりしていると、他人には伝わってしまいます。マウンティングする人も同様です。
実は私にも経験があります。大企業の経営者ですら呼びつける力を持つと言われる中央官庁に勤務する課長職の人物に、仕事でヒヤリングした時でした。あまりに上から目線の物言いに辟易としたせいか、翌日私は熱を出して寝込んでしまいました。
⑥「評価が低い理由が分からない」不平不満が口癖になる
自己肯定感として機能するプライドや、倫理観や品格に繋がるプライドは、人間には必要です。しかし学歴の高さだけをよりどころにしている人が、自分のプライドを傷つけられると厄介な事態を生じさせます。パワハラや陰湿ないじめに結びつくことがあるからです。
「同期の中で自分だけ評価が低いのは納得できない」
「こんなレベルの低い部署に、なぜ自分は異動したんだ」
こうした発言の裏には、学歴というプライドを傷つけられたという思いが潜んでいます。