仕事ができない高学歴社員が生まれる根本原因
学生時代に受けた賞賛や評価が高ければ高いほど、実社会では通用しない思考や行動が表面化し、その弊害が生まれることがあります。高学歴社員として周囲から受けた評価とそこで生まれたプライドによる弊害とは、実社会での経験を生かせないところに潜んでいます。
①「IQは高いのに、EQが伴わない」共感を得られず、人望も集まらない
実社会では多様な人たちが生活しています。経済的理由から大学などに進めず社会に出た人が、努力を重ねて結果を出している事例は数多くあります。このような人たちと共に仕事をしていくとき、人の心の痛みや挫折が理解できない人は共感されず、ついて行く人はいなくなります。
学歴は高くなくても、企業を成長させている経営者は数多く存在します。彼らの中には学歴のコンプレックスをバネにして努力を続ける人もいます。そんな人たちは失敗を知らずに生きてきた人をすぐに見抜き、「きれいごとしか知らないエリートに、何がわかるのだ」と心の中でつぶやきます。
挫折や学歴コンプレックスなど心の痛みを持つ人は、世の中に大勢います。挫折した経験が、後の人生で飛躍につながることを知らずにいると、人の心を察するEQ(心の知能指数)が高くなりません。
②できる方法よりも、できない理由づけがうまくなる
勉強を通じて多くの知識と事例を知っていると、そのセオリー通りでないと物事はうまく進まないと早合点してしまう場合があります。実社会ではやってみなければわからないことがたくさんあり、行動を起こし、都度修正しながら前に進めていくのがビジネスの流儀です。
知識ばかりの評論家は会社に求められていない
多くの知識と事例を知れば知るほど、当事者意識が希薄になり、評論家になってしまう人も出現します。勉強ができる人は論理的に説明することに長けているので、できない理由を列挙することが上手です。
「それはアメリカの企業が昔挑戦して、失敗していますよね」
「日本では過去の事例から判断して、その市場は生まれないでしょう」
といった具合です。