どこまでが有益な情報で、どこからが個人情報なのか

40代以上の方なら、大昔のプロ野球選手名鑑に選手の住所(現住所もしくは実家)が掲載されていたのを覚えているかもしれない。好きな女性のタイプまで掲載されていたものもあった。いまでは考えられないことだが、これも時代の流れといえるだろう。

個人情報保護はもちろん大切だが、個人的には、アスリートの身長・体重の数値を非公表にすることでスポーツの面白味が減ってしまうのではないかと危惧している。

例えば、日本国内での大会では身長も体重も非公開となった陸上界。男子100mの日本記録保持者である山縣亮太(セイコー)は5年前のリオ五輪では身長176cm、体重70kgというデータが残っている。今回はというと、身長177cm、体重74kgだ。リオ五輪では100mで10秒05の自己ベスト(当時)をマークしているが、今季は9秒95までタイムを短縮。激しいトレーニングをしながら体重が4kg増えたことに“努力の跡”を感じることができるだろう。

数字はスポーツ観戦の楽しみである。身長の高さは才能のひとつだし、逆に小柄な選手が大柄の選手を打ち負かす姿に勇気づけられる。今回の東京五輪でいえば、男子バスケで身長167cmの富樫勇樹が2mを超える八村塁、渡辺雄太らにパスをまわすシーンを想像するとワクワクするのは筆者だけではないだろう。

陸上男子100mで世界記録を持つウサイン・ボルト(ジャマイカ)は身長が195cmもあった。テレビ中継を観れば、ボルトが大柄だというのはわかるが、具体的な数値が公表され、それを知ることでイメージが明確化できる(なお、ボルトが最高速に到達したときのストライド=歩幅は275cmで、ゴールラインを超える最後の一歩は3m近くあった)。

上から見たスプリンター
写真=iStock.com/Tempura
※写真はイメージです

マラソン中継の増田明美さんの「細かすぎる解説」はなくなるのか

マラソンや駅伝のテレビ中継では、スポーツジャーナリストの増田明美さんが選手に事前に独自取材した“細かすぎる解説”が人気だ。しかし、身長・体重の数値すらNGとなると、競技に直接関係ないような選手の「プライベート」を話すのも難しくなるのではないだろうか。

身長・体重の数字には選手の才能や努力、それからストーリーが詰まっている。データ非公表にはそれなりの理由や、メリット・戦略があるが、観戦する側にとってはデメリットしかない。

日本が東京五輪に夢中になっている今こそ、スポーツ界はどんなことがファンにとって有益な情報で、どこからが非公開とすべき個人情報なのか。しっかりと考えるべきではないだろうか。

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