リモートワーク生活で夫婦関係が一気に悪化
【CASE2】夫といる時間が長くなり体調不良になった妻
「コロナ禍で体調不良が続いていたが、最近になってようやくその原因がわかった」と語るJさん(39歳)は、同じ年齢の夫と3歳の長女がいる。コロナ以前はそこそこ円満な夫婦関係だったものの、ステイホームの影響で夫婦ともにリモートワーク生活に入ったことがきっかけで2人の関係が悪化した。
「ウチは典型的な『コロナ離婚』寸前のパターンだったと思います。夫は、家事もしなければ育児にも非協力的。狭い家なのに、自分だけリビングにスペースを陣取り“仕事をしているアピール”をされ続けること1年以上。コロナ禍になって、イライラしっぱなしの毎日でした」。
Jさんはたまった不満を何度か夫に打ち明け、生活態度の改善をうながすも、結局は元通り。脱ぎっぱなしの服や食べっぱなしの食器を片付けるのは、いつのまにかJさんの役割になっていたという。
帰省して気づいた「体調不良の原因は夫」
「このままでは自分がダメになる」とJさんが危機を感じたのは、仲のいいママ友がうつ病を患ったことがきっかけだった。「コロナ禍でさまざまな心労が重なったせいか、誰よりも明るい性格だった友人がうつになったことがショックだった。ちょうどその頃、私もなぜか頭痛や倦怠感がひどくなる一方だったので、自分の体調も心配になった」というJさんは仕事を休み、子供をつれて数日実家に帰省したのだった。
久しぶりに両親のいる実家で数日過ごしたJさんは、「まるで生き返ったようだった。子育ては両親のサポートがあり、家事も自分だけが頑張る必要もない。家のなかも広く、心身ともに伸び伸びとリラックスできた」。1年以上苦しんでいた頭痛や倦怠感も嘘のようになくなっていた。
「元気になって初めて、体調不良の原因は紛れもなく夫だったと気がついた」と快活に笑うJさんは、夫との別居を決めたという。「幸い、リモートワークは実家でもできるし、近くに条件の合う保育園も見つかった。自分の体と心を守るためにも、コロナが収束するまで別々に暮らすことにしました」。