投資開始後19年でセミリタイアを実現

セミリタイアは夢のまた夢、というほど非現実的なことではありませんし、莫大な資産がなくても、ほどほどのお金で暮らす習慣と、ある程度の運用スキルを身に付ければ、普通の人でも意外と実現できることなのです。

多くの資産を持っていればセミリタイアしやすいのはたしかですが、運用のスキル、お金の使い方、価値観などが、セミリタイアの実現性を大きく左右する要素であり、莫大な資産がなくても大丈夫です。

米ドル紙幣と電卓
写真=iStock.com/baona
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私は2000年に投資を始めました。2010年以降、米国株中心の運用に切り替えてからは順調に資産が増え、米国株の魅力を職場の後輩たちに伝えることを目的に、2016年に「たぱぞうの米国株投資」というブログを開設しました。2019年に勤務先を退職し、現在は資産を運用しながら暮らしています。「セミリタイア」した、というわけです。

私は資産家の子どもではありませんし、大学卒業後は、ごく普通の組織人として働いていました。人と少し違っていたのは、社会人になってすぐ、初めての給料で株式投資を始めたことです。詳細は前著『お金が増える 米国株超楽ちん投資術』(KADOKAWA)で述べましたが、それはかなり積極的でハードな投資でした。以前はお金を使うことにあまり興味がなく、収入の多くを投資に回していた時期もありました。

経済的自由を得ることの意義

当時からセミリタイアを目指していたわけではありません。思っていたのは、「ある程度のお金があり、それを運用で増やしていくことができれば、仕事に縛られることなく、経済的自由を手に入れられる」、ということでした。

そして、資産が約1億円に達した40代前半でセミリタイアし、組織に属してフルタイムで働かなくてもいい経済的自由と、時間的自由を手にしたのです。

ここ数年、投資への関心が高まっています。資産運用の主な目的は、老後資金の確保と、より豊かな生活を実現することだと思います。いずれも重要ですが、私自身はそれに加えて思っていることがあります。それは、「投資とは人生の選択肢を増やすこと」、というものです。

人生の選択肢には、仕事をセーブして家族と過ごす時間を増やす、しばらく仕事を休んで独立起業のために勉強する、あるいは、独立起業する、などが考えられます。投資によって経済的な余裕を得られれば、今とは違う生き方を選ぶことも可能となるのです。ある程度の資産ができれば「セミリタイア」も夢ではありません。

セミリタイアを視野に入れることで、投資は前向きで、楽しいものになるはずです。