今後、悪質業者がやりそうな3つの手口とその対策

そこで過去に国民生活センターが注意喚起した送り付け商法の事例から見て、今後、悪質業者がやりそうなことをお話しますので、事前に知っておいて、身を守っていただければと思います。

今から8年ほど前、(2013年)に寄せられた相談です。

70代女性の家に業者から「ご注文いただいた健康食品を送ります」と電話がありました。しかし女性は、頼んでいないので「送らないでください」と断り、電話を切りました。

しかし後日、封書が届きます。そこには「商品の注文の確認をしたにもかかわらず、頼んでいないと言われて、発送前日にキャンセルされて損害金が発生した。期間内に3000円を支払わなければ法的手段に訴える」と書いてあったのです。

この他にも、当時、覚えのない健康食品が送られてきたため、受け取り拒否をしたところ、後日、損害賠償請求書が送付されてきたケースもありました。

過去のこうした事例から、今後は「送った商品を、勝手に処分した。商品を返せ!」などと言いがかりをつけて、損害賠償などを名目に代金を請求してくることが考えられます。

この手口自体は、「未納料金を払わなければ、法的手段を取る」と不安をあおってお金を払わせる架空請求詐欺に近いもので、真面目な人ほど、相手の話を受け止めて、被害に遭ってしまいます。

もちろん、お金を払う必要はありませんし、即日、処分しても法律上問題はありません。

この事例もそうですが、送り付け商法といっても、いきなり商品を届けるというよりも、いったん、家人に電話をして「注文していた商品を送ります」と言い、相手がだませるかどうかを確認してから、送ることがよくあります。

ひどい事例になると、「カニは、好きですか?」と聞き、それに対して、「はい」と答えただけなのに、送り付けられたこともあったほどです。

皿にのったズワイガニ
写真=iStock.com/jreika
※写真はイメージです

しかし今後は「だませるだろう」程度の見込み客に商品を送ったとしても、処分されてしまう可能性が高くなるため、電話をかけた段階で、しっかりと話をしてから、商品を送り付けるのではないかと思っています。