「必要としている」ところに送り付ける巧妙な手口

人情に訴えてくるだけではありません。

一時期、新型コロナの蔓延でマスクが品薄になり、マスクを一方的に送り付けて、お金を払ってしまう被害が出ました。

これは私たちが「必要としている」ところに送り付ける巧妙な手口です。こうなると、値段は少々高いけれども、受け取ってしまいがちになります。だます側は、こうした「ほしい」「必要」という私たちの心理にもつけ入るのです。

もしかすると、「マスクが手元になかったんだから、ラッキーじゃないか」と思う人もいるかもしれませんが、それは間違いです。たいがい、その商品は値段に似合わない粗悪品であることがほとんどだからです。

以前に、カニなどの海産物が勝手に送られて、1万円以上払い、代金引換でお金を払って開けてみたら、すかすかで値段に釣り合わないものだったということもありました。マスクも同様で、耳にかけるとひもがすぐにプツンと切れてしまうような粗悪品であるかもしれません。

今回、消費者庁は送り付け行為への対応として、3カ条を挙げて注意をしています。どうしても「その1:商品は直ちに処分可能」にスポットがあたりがちですが、実は、2番目以降の注意も、とても重要なのです。

「その2:事業者から金銭を請求されても支払不要」

先にみてきた過去の事例のように、言いがかりをつけられて、一方的に商品を送り付けられるケースもありますが、注文した覚えがなければ、金銭を支払う義務は生じません。きっぱりと断ってください。

「その3:誤って金銭を支払ってしまったら、すぐ相談」

送り付けられた商品は「すぐに処分OK!」ですが、これが多くの人に浸透するまでに、時間がかかります。このタイムラグを狙って、従来通りの手口を繰り返すことは間違いありません。

この時、悪質業者は、トラブルが起きた時に、誰にも相談せず、自分だけで解決しようとする人を狙います。それゆえ「自分では解決できない。困ったな」と、思ったら、迷わず消費者ホットライン「188」(いやや)に、「すぐ相談!」が何より大事になるのです。

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