※本稿は、東香名子『超ライティング大全』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
これまで執筆した記事は総計で1000万PV以上
メールや企画書、提案書、オウンドメディアやブログの記事に至るまで、仕事で文章を書く機会が増えた人はたくさんいるでしょう。しかし、中には「全然読まれない……」と落ち込んでいる人もいるのでしゃないでしょうか。
文章は、頭につけるタイトルに全力を注ぐべきです。どんなに中身のよい文章でも、タイトルで読み手の心をひきつけなければ、興味を持ってもらえません。
私は「鉄道コラムニスト」として執筆活動をしており、プレジデントオンラインをはじめ複数の大手メディアで閲覧数1位を獲得してきました。個人で執筆した記事のアクセス数は総計で1000万PVは超えるのではないでしょうか。これもひとえにタイトルのおかげだと思っています。
たとえば、東洋経済オンラインで出した「『おしゃれ女性』がたくさん乗る路線ベスト10」という記事。ここには、バズるテクニックがつまっています。たとえばネットユーザーはランキングものが大好きです。だから「ベスト10」としています。また、タイトルに数字を入れると視線がひきつけれられ、他の記事よりも目立ちます。そして「通勤路線」は多くの人が日常的に関わりを持つテーマです。自分の生活に関わりのありそうなタイトルを見ると、つい覗いてみたくなりませんか?
私はある女性サイトの編集長として、魅力あるタイトル付けにひたすらこだわった経験もあります。このサイトは、私が編集長となる前まで、月間アクセス数は1万PV程度でしたが、退任するときには650万PVまで伸びました。
みんなが「読みたい!」と唸り、そしてSNSで拡散されていく、いわゆるバズる表現を身につけるにはコツがあるのです。
ピンときた言葉はメモして、自分も使ってみる
まず心がけてほしいのは、言葉の「インプット」です。ふだんの生活で、ピンときた言葉を見つけたときは、必ずメモを取るようにしましょう。
私は毎日、Yahoo!ニュースやTwitterのトレンドをチェックして、バズっている言葉を調べています。また、「Yahoo!リアルタイム検索」というアプリのランキング上位にあるタイトルもチェックしています。
「こういうワードにみんな食いついているのか……」と噛み砕いて理解しながら、リアルタイムで脳に書き込むイメージです。
気になる表現はとにかくメモ。スマホのメモ機能を使うのもいいですが、手書きで行うとさらに記憶に残りやすくなります。あえて清書したり、利き手でないほうで書くなど、時間をかけて書くことで、より頭に残りやすくなります。
同時に、気になった表現は、積極的に使ってみることも大切です。
たとえばあるニュースサイトで「地獄の倒産連鎖」という記事がヒットしていました。「◯◯連鎖」は何かがどっと押し寄せるような勢いのある言葉です。これを自分の得意分野の課題に置き換えてみましょう。
ポジティブな記事なら「新商品の完売連鎖」、ネガティブな記事なら「地獄の失恋連鎖」など、いろんな言葉を当てはめてみます。
上手にできたと思うものは、仕事仲間と共有しても楽しいです。大喜利のように、みんなでどんどんアイデアを出し合うなどして、バズるワードを、どんどん自分のものにしていきましょう。
こんなふうに言うと、「パクりでは?」と心配する人がいます。しかし一字一句のコピペではなく、自分の伝えたいことを絡めて表現すると、必ず自分自身の色がつくものです。オリジナリティは模倣から生まれるものだと私は信じています。