「いいな」と思った文章は書き写す

他にもネタ帳に、好きな作家やいいなと思った人の文章を書き写すこともあります。上手な人の文章を書き写すのは、文章の上達につながるのでおすすめです。

私の場合、太宰治や坂口安吾が好きで、よく本の書き写しをします。

他にも最近、雑誌『致知』(致知出版社)に掲載されている記事の見出しをメモしました(写真)。

雑誌『致知』(致知出版社)に掲載されている記事の見出しをメモしたもの
写真=筆者提供

経営者が読むビジネス誌のタイトルを考えるという仕事だったのですが、『致知』と読者層が似ていると考え、日夜メモしたのです。すると、書いているうちに見出しの雰囲気をつかむことができ、「これは言葉を変えればテンプレートとして使えそうだな」といった発想が膨らんでいきました。

もし「こんな文章が書けるようになりたいな」という憧れの人がいれば、その人の文章を写経のように写してみてください。

続けるコツは、自分が好きなジャンルの文章を選ぶことです。苦しみながら興味のないジャンルを書き写しても、意味がありません。継続することに意味があります。楽しいから続くし、身につくのです。

雑誌をめくる女性の手元
写真=iStock.com/FabrikaCr
※写真はイメージです

旅行記事を書く前には、旅行メディアの文章を写す

小説に限らず、自分の執筆ジャンルに関する記事を書き写すのもいいでしょう。

私の場合、ビジネス、旅行、恋愛など様々な記事を執筆していますが、それぞれ文体のテンションは異なります。

ビジネスのように硬めの記事を書いた後に、旅行のようなカジュアルな記事を書くのは、気持ちの切り替えが難しいものです。

たとえば、旅行記事を書く前には、旅行メディアの文章を写してみましょう。すると自分の中で“旅行スイッチ”が入り、それにふさわしい文章がなめらかに出てくる気がします。

なるべく、正しい日本語を書き写すことをおすすめします。新聞、雑誌、書籍、大手ニュースサイトの記事は、掲載(印刷)前に校閲が入っています。正しい日本語かどうかをプロの目で細かくチェックしているので、内容に信頼が持てます。誤った日本語表現を身につけないよう、手本となるメディア選びにも注意しましょう。