国安法による逮捕者は100人を超えた

読売社説は書く。

「蘋果日報は、国安法の施行後も中国批判を続け、自由で多様な香港社会を代弁する最後の砦となっていた。中国企業の出資に頼る香港メディアが増える中、経営の独立を保つ貴重な存在だった」

「最後の砦」が打ち破られたわけだが、習近平政権も返り血を浴びているはずだ。それが証拠に香港の国際金融センターの機能や地位が消滅しつつある。

その点に関し、読売社説も「国安法による逮捕者は、この1年で100人を超えた。蘋果日報の事例は、香港の民主派やグローバル企業をさらに萎縮させ、『中国化』を加速させることになろう。国際金融センターとしての地盤沈下は避けられまい」と指摘している。

最後に読売社説はこう主張する。

「習近平国家主席は、『愛される中国』の国際イメージ作りを指示したばかりだ。一連の言論封殺は自らの言葉を踏みにじる行為である。これでは、国際社会の信用を失うだけではないか」

その通りである。何が、どこが「愛される中国」なのだ。中国の度重なる強権ぶりを見ていると、「嫌われる中国」としか思えない。

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