“失策”の影響は深刻だ

一国の経済の成長には、先端分野での成長を目指す企業(企業家)の存在と、サプライヤーや人材、一定の需要の存在が必要だ。それが、国際競争力を持つ企業の集積を支え、その上で政府の国際世論に対する発言力も高まる。

しかし、文大統領は、目先の支持獲得を重視し、ある意味では労働組合に忖度して経済政策を進めたように見える。その結果、労使の対立は深刻化し、企業家心理は停滞しつつある可能性がある。韓国では出生率の低下も深刻であり、需要は縮小均衡に向かっている。

それに上乗せするようにサムスン電子などでも労使の対立が鮮明となれば、世界経済における韓国の競争力や発言力には無視できない影響があるだろう。やや長めの目線で今後の韓国経済の展開を考えると、文氏の経済政策は企業のダイナミズムを低下させ、経済の実力=潜在成長率を下押しする恐れがある。

【関連記事】
元海自特殊部隊員が語る「中国が尖閣諸島に手を出せない理由」
日本にとって「韓国の異常な反日」が大チャンスである理由
「お金が貯まらない人の玄関先でよく見かける」1億円貯まる人は絶対に置かない"あるもの"
韓国に広がる「日本どうでもいい」の理屈
「もう"美人すぎる魚屋"じゃない」逆境を逆手に編み出した"注文殺到の新商品"