「お腹が張る」は腸内環境が変わってきたサイン
慢性的な便秘や下痢などを抱えている人は、ストレス耐性も弱くなり、集中力がなくなり、気分が沈みがちになる。
増えてしまった「悪玉菌」を減らし、「日和見菌」を「善玉菌」に変えるのに力強い味方が発酵食品と食物繊維である。てっとり早く善玉菌を増やすためには、腸内で善玉菌に変わってくれる乳酸菌やビフィズス菌などの生菌をとるのがいちばん。
朝食のときに、生菌を添加したヨーグルトなどの発酵乳製品の食べ物を一つ加えるだけでも、腸内環境の改善に役立つ「力めし」となってくれる。ちなみに、朝食に適しているヨーグルトだが、じつはその人の腸内環境によって、合うヨーグルトが違ってくる。
最近、さまざまなタイプのヨーグルトが市販されているが、いろいろ試して、どのタイプが自分の腸内環境を改善してくれるのか、相性をチェックしてみるのもおすすめだ。
1日100グラム、2週間~1カ月、同じ種類のものを食べてみて、便がバナナ状になったり、肌の色が明るくなってきたり、疲れにくくなったり、心地よい睡眠がとれるようになったとしたら、自分に合ったヨーグルトといえるだろう。
さらに、たとえば毎日、ヨーグルトを食べていくなかで、「お腹が張る」という症状が出ても、それは腸内環境が変わってきたサインであり、異常ではない。その症状は、3~4日で治まる。もし、3~4日しても、まだその状態がつづくようであれば、そのときはじめて「自分には合わない」と判断して、別のヨーグルトに替えてみてほしい。
「スプーン1杯の油」が自律神経を整える
みなさんは油という食品に対して、カロリーが高い=太るというイメージをお持ちではないだろうか。
腸内環境を改善して、自律神経を整えるためには、むしろ上質な油はとったほうがいい。なぜなら、油脂というのは、便の潤滑油にもなってくれるからだ。おすすめは、酸化されにくいオレイン酸をたっぷり含んだオリーブオイルや亜麻仁油である。
これらは、腸のなかで便の潤滑油になって便秘を防いでくれるだけでなく、ポリフェノールなどの抗酸化物質も豊富に含み、悪玉コレステロールを減らし、細胞の老化を防ぐ作用もしてくれる。
腸内の炎症を抑え、善玉菌を増やし、血液の流れをアップさせ、腸内環境を整える働きもしてくれる。目安としては、朝食の際にスプーン1杯。サラダのドレッシングに混ぜるのでもかまわない。
もちろん、オリーブオイルも亜麻仁油もカロリーはあるが、朝は代謝もいいから、大さじ1杯くらいの油はまったく問題ない。むしろ、積極的にとったほうが、腸がよく働き太りにくくなる。便秘を防ぎ、腸内環境を改善し、自律神経を整えるバランスのとれた「力めし」になってくれるだろう。