ガイドラインが変わるのを待つ必要はない
国内の糖尿病患者とその予備軍2000万人の責任者は、まだいます。それは、健康を他人任せにしてきた人、全員です。
世の中の原理原則として「~のせい」と言っているうちは、不満がたまり、状況は好転しないどころか悪化していきます。なぜなら、「自分では状況を変えられない」と、自分で思い込んでいる、ということに他ならないからです。「思い込む」ことで、よかれ悪しかれ、現実もその通りになっていきます。「国のせい」「標準治療のせい」と言っているだけではいつまでも状況は変わらず、悪化していくだけです。
ではどうすればよいのかというと、解決の方向性は、じつにシンプルです。逆の「思い込み」をすれば状況は変わります。つまり「すべては自分の責任」「状況は変わる・変えられる」という考えです。自分が変わることで、周囲もまた変わっていきます。
これを糖尿病に当てはめてみると、医師が変わるのを待つとか、国の方針が変わるのを待つ、ガイドラインが変わるのを待つ、という「他人任せ」をやめることになります。
ただし、現在、薬を服用している人は、主治医への相談が必須です。血糖値を下げる薬を使いながら糖質オフをすると、命に関わる重篤な低血糖を起こす危険があるためです。必ず主治医と相談してください。
主治医を変えるのも一つの手
もし、主治医が話を聞かないタイプなら、主治医を変えるのも一手です。幸い、日本の保険制度では、自分で自由に医療機関を選ぶことができます。もし、主治医が紹介状を渡すことをしぶるようなら、「セカンドオピニオンを受けたい」と言うことで、ほぼ100%、紹介状を書いてくれます。「セカンドオピニオン」という単語は、ポジティブなイメージがあり、その言葉を出すだけで、医師の心理的抵抗が大幅に軽減されるからです。
紹介状の発行は、法律的な義務がないため、医師が拒否する場合も多くあります。しかし「セカンドオピニオンを受けたい」とだけ伝えれば、比較的すんなりと書いてもらうことができます。その際には、余計なことを言わないことも大切です。受診先が決まっていない場合には、「まだ決まっていません」と、正直に伝えましょう。
もし、今現在、どんどん病状が進行している場合は、こうしたアクションをすぐに起こすことをおすすめします。現在の糖尿病の標準治療のガイドラインはすぐには変わりません。10~20年単位の年月がかかってしまいます。
糖質オフは数年前まで、「風変わりなダイエット法に過ぎない」という認識でしたが、その劇的な効果から、徐々に一つの効果的な治療法として認識が広がってきました。日本の学会も当初は「断じて認めない!」という姿勢でしたが、最近は態度を軟化させつつあります。実際、日本もアメリカも、糖尿病学会のトップの医師は、糖質オフへと舵を切りました。
本稿をお読みのあなたも、新しいガイドラインを待つ必要はありません。