東大合格には受験生本人の努力が何よりも必要だが、親のサポートも重要だ。作家で教育カウンセラーの鳥居りんこ氏は「例えば、子供が不登校になった時、親が激しく動揺し怒り散らして、事態をさらに悪化させることはよくある。だが、東大生の親は常に子供の考えを肯定的に捉えて応援し、たとえ紆余曲折があったとしてもわが子なら大丈夫と動じない胆力がある」という――。

無名校のわが子を東大合格させる親が実践している「一発逆転」技

お金持ちの家庭でなくても、わが子を頭のいい子に育てるにはどうしたらいいのか。

ドラゴン桜
©︎Norifusa Mita/Cork

前編では、この命題に関して書籍『ドラゴン桜「一発逆転」の育て方』(以下、一発逆転本)と、雑誌『プレジデントFamily2021年夏号』(以下ファミリー夏号、いずれもプレジデント社)の特集「249人の東大生の小学生時代」をもとに考察した。

引き続き、後編では、「賢い中高生を育てる親が実践している技」を考えてみたい。

「一発逆転本」に登場する10人の現役の東京大学の学生は必ずしも恵まれた環境で育ったわけではない。成績が低かったり家庭が経済的に苦しかったり、いろいろ問題はある。

「ファミリー夏号」のアンケートに協力した東大生の回答者の中にも「親戚縁者、東大どころか大卒もいない」「出身高校からは過去ひとりも東大進学者はいない」「住んでいる地域は高卒→就職が当たり前」「わが家は貧乏」というケースも少なくなく、「小中学生の時代には東大進学など考えてもいなかった」ということは珍しくない。

東大経済学部4年の西岡壱成さんは企画立案に携わった「一発逆転本」の対談記事で2浪の末に東大合格を決めた自身についてこう語っている。

「僕は中高時代、何をやってもうまくいかず、いじめられっ子で、何とかしなきゃいけないのは分かっているけど、ゲームが楽しいなって状態で……。でも、高校の時に先生が『人間は自分で線引きする。それは“なれま線”と“できま線”だ。しかし、その線は幻想で、おまえはその線を越えてどこまででも行ける』と言ってくれたのがきっかけで、2浪で東大に入りました」

「伸び悩んでいる選手はいわれなき自己限定をしている」

これはプロ野球の名監督・故野村克也氏の言葉である。はじめから「できません」「なれません」という「線引き」をしてしまうことはだれしもよくあるが、西岡さんのように「越えて行く」人もいる。

「一発逆転本」に登場する10人中9人が「東大に合格する」という決意をするのは高校生になってから。そのうち、2人は学校行事や部活に燃えていたので、高3夏前から本格的にスタートした。彼らは、残された時間で合格することは「できません」と線引きはしなかった。

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