肉の代替品は今や高級スーパーだけでなくディスカウントストアでも普通に売られている。都市部のショッピングモールには代替肉バーガーショップなども登場した。筆者は数品しか試したことがないが、味はなかなかのものだ。風味自体はあまりないので、チキンナゲットでもシュニッツェル(豚や仔牛のカツレツ)でも味自体はあまり変わらないが、衣がサクサクしていて食べ応えがあるし、安い肉の揚げ物を食べたときの嫌な感じもない。もう1つ代替プロテインの有望株といえば昆虫食だが、こちらには気分的に抵抗がある人でも、植物ベースの代替肉なら始めやすいかもしれない。

当面の問題は価格だろう。一般的になったとはいえ、通常価格の本物の肉に比べるとやはり少々値が張る。だが今後技術が進み消費が増えたら、価格もどんどん下がっていくだろう。

各国でワクチン接種が着々と進み、社会は「バック・トゥ・ノーマル」への道を模索し始めている。しかし、「ノーマル」自体が変化しつつある。マスクや手洗いは今後も「ニュー・ノーマル」として続くだろうし、リモートワークもすっかり定着した。でも、とりわけ大きく変わったのは、食生活ではないだろうか。

代替肉がニューノーマルになる日もそう遠くないかもしれない。

当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら
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