●灘中学校・灘高等学校校長 和田孫博さん
A1:レジリエンス(回復力)とテナシティ(粘り強さ)。
未来に待ち受ける未知の課題に立ち向かい、幾度となく失敗してもくじけずに、粘り強く解決していくことが求められるから。
A2:子供が好奇心を示すことを大切に。
「好きこそ物の上手なれ」というように、子供は好きなことにはものすごい集中力を発揮します。また、好きなことであれば失敗してもめげずに頑張ります。そういう経験がレジリエンスやテナシティを育むのです。
【学校が注目している卒業生】
山田 淳 登山家
[推薦の理由]灘中学時代にワンダーフォーゲル部に所属し、登山の魅力を知る。東大在学中に当時の七大陸最高峰世界最年少登頂者となる。安全登山の推進を掲げてベンチャー企業を立ち上げた。現在はフィールド&マウンテン代表取締役社長。好きなことが仕事につながった最適例。
[在学中の様子]もともと体があまり強いほうではなかったが、部活動を通じて壮健に。学習面でも頑張りがきくようになり、文武両道の模範的な生徒だった。
●洛南高校附属中学校校長 堀 俊彦さん
A1:知情意のバランスが取れ、ゆとりある人間性。
新型コロナの混乱の中で見られるような二律背反の状況でも落ち着いて、自信を持って判断していく力を期待します。文系だ、理系だと偏ることなく、また「理」も「情」も理解し、難しい状況の中でも困らない、大きな幅のある人間をイメージします。
A2:自立・自律させること。
自分で机に向かえること、また、勉強だけにとどまらず、自ら片づけ・掃除やお手伝いが積極的にできること。休日には飯ごう炊飯などの野外活動をすることも、いろいろ試しながら自立の力をつけるよい体験です。そして、豊かな内容の本を進んでたくさん読み、心の幅を広げましょう。
【学校が注目している卒業生】
姫路市の病院で外科医として勤務しているKくん
[推薦の理由]ピンチにもあせらず、あわてず、いつも「困っても困らない」の気持ちで行動し、誰もが認めるクラスの要でした。
[在学中の様子]文化祭前日の準備が思うように進まず、徹夜を余儀なくされた高校生のKくんたち。どうしても必要な物があったので、ただ一人、当日の始発の電車に乗って1時間ほどかけて取りに行きました。調達後は、遅刻することなく登校し、騒ぐことなく、自慢することなく、当日の発表にきっちりと間に合わせました。
●東海中学校・高等学校校長 佐藤泰年さん
A1:信頼される人間性。
どのような社会になろうとも、人と人とのつながりを軽視しては健全な社会は成り立たないからです。他者に共感する力やその基礎となるコミュニケーション能力を育て、ひいては信頼関係を築くことができる人間性を磨く必要があるのです。
A2:子供が安心して話せる場をつくる。
子供との会話で、先回りをして話をし過ぎないで、まずは話を聞くように心がけてください。共感を示すことで、子供が安心して話すことができる状況をつくれると思います。それが親子間の信頼関係を築くことにつながり、子供は親の姿勢を見て、自然と信頼すること、されることの大切さに気づくのではないでしょうか。
【学校が注目している卒業生】
山田進太郎 メルカリ創業者
牧 寛之 バッファロー代表取締役社長
[推薦の理由]それぞれ、新たな分野の開拓に力を注いでいる。
[在学中の様子]山田くんは周囲の優秀な人間を見て、競うのではなく力を借りながら独自の道を進むことを選ぶ意識を持つようになったようです。牧くんは剣道部の中心メンバーとして活躍し、まとめ役でした。いずれも人との協力関係を築くことの大切さに気づいていたと言えるでしょう。