口をゆすがないガラガラうがいは逆効果

もうひとつ、医療機関で処方されるうがい薬に、「アズノールうがい液」があります。

主成分は「アズレンスルホン酸ナトリウム」で青色をしています。こちらは抗炎症剤で、のどの痛みはじめなど炎症が起こっているときに用います。

市販では「水溶性アズレンうがい薬」「浅田飴AZうがい薬」「パブロンうがい薬AZ」などがあります。ヨード系に比べて刺激が少なく、副作用はまれだとされています。

のどに炎症があって自分でうがい薬を選ぶ場合はこちらが良いでしょう。普段は水やぬるま湯、また緑茶や紅茶でのうがいで十分です。

× いきなり、ガラガラとのどのうがいをする

口の中にはウイルスや細菌、食べかす、ほこり、ちりなどが混在しています。

1回目のうがいからのどをガラガラとすすぐと、それらのウイルスや細菌、汚れがのどに付着してしまいます。まずは口の中だけを2、3回すすぎます。歯磨きをするとさらに有用です。その後に、のどのうがいをしてください。

× 上向きだけのうがいをする

上を向いてガラガラとうがいをする人は多いと思いますが、その場合、のどの中央しか洗えていません。実は左右の頬粘膜や、歯ぐきと頬の間にウイルスや細菌が付着している可能性は高いのです。上向き→右上向き→左上向きと順に丁寧にうがいをしましょう。

ウイルスの侵入をふせぐ適切なうがいの方法

× 口に水を含むだけですぐ吐き出す

口の中の洗浄、潤いのためには、丁寧にすすがなければ効果がありません。

× 口いっぱいに水を含む

うがいをした気分になるからといって、水を大量に口に含む人がいます。この場合は、上を向いたときに口を開けることができず、ガラガラと音を立てながらのどの奥のほうまでうがいをすることができません。

口の中でぐちゅぐちゅと水を流すこともできないので、洗浄になりません。

口いっぱいに水を含んでいる女性
写真=iStock.com/:Tharakorn
※写真はイメージです

× 手洗い前の手で水をすくって口に含む

感染症予防の第一の方法は「丁寧な手洗い」です。十分に洗っていない手で水をすくってうがいをする人は案外、多いのです。この場合、手に付着したウイルスや細菌を口に入れることがあり、感染しかねません。

〔適切なうがい法〕

① まずは、口の中を隅々まですすぐ。コップに注いだ水かぬるま湯を、口の中の3分の1から半分ほど含み、食べかすなど口の中の汚れを取り除くイメージで、強めに縦に5~10回、横に5~10回ほど「ブクブク」とすすいでからそっと吐き出す。

頬と歯ぐきの間、上あごの天井、舌の周囲など口の中全体を洗うイメージで、2、3回行う。

② コップに注いだ1と同量の水かぬるま湯、また炎症があるときなどは、うがい薬を薄めた水かぬるま湯(量は説明書のとおりにする)を口に含む。

まずは上を向いてガラガラ、次にやや右上を向いてガラガラ、さらにやや左上を向いてガラガラと、各方向に5~10秒ほどうがいをして吐き出す。息が続かないときは、一度吐き出してから再度行う。