だからといって、私は「独身者たちよ、不公平に怒れ」などというつもりは毛頭ありませんし、当の独身者たちも、こうした現実は薄々認識しているし、それを「自分たちだけ損をしている」などと声を荒げることはないでしょう。ただ、独身時代は何の控除もない高い税や社会保障費を払っていた既婚者の一部が「結婚も子育てもしていない者たちは社会のフリーライダーだ」などと非難する声を上げていることの方に心を痛めていると理解してほしいのです。

独身だって見えない形で社会を支えている

独身者たちが家族よりも税負担の大きい割合は、長期的に平均2%弱です。これは、家族世帯が子どもの授業料などに費やす教育費とほぼ同じ割合です(もちろん、この中には子のいない世帯も入れての平均ですから、実際子育て世帯の教育費はもっとかかっているとは思いますが)。

超高層ビル
写真=iStock.com/twinsterphoto
※写真はイメージです

いってみれば、独身者たちも税金などの形で未来の宝である子どもたちの教育費相当分を国庫に預けているとも言えます。決してフリーライダーなんかではありません。独身は独身なりに社会的役割を果たしています。

家族に比べて高い税負担を、独身であることの罰則的意味の「ステルス独身税」ととらえるのではなく、すべての子育て世帯のための独身者による「ステルス子育て支援金」だと考えてはどうでしょうか。税以外にも、独身者の消費だって、経済を回して結果的には誰かの給料を支払っているようなものです。そうやって社会は支えあっているのです。

もはや全員結婚する皆婚時代は終わりました。だからといって「結婚も子育てもしない独身者は国民の義務を果たしていない」などと独身者をなじったところで何かが好転するわけではありません。それより、互いがそれぞれの立場でそれぞれの役割を果たしていることを理解し、「見えないけれど確かな支えあい」があることを実感するようになってほしいと考えます。

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