お金のトラブルにはお金で応じるのが効果的だ

夫婦問題がこじれ、離婚という決断をする際にも、金銭トラブルが生じる場合がある。結婚生活を共にする夫婦2人の間柄で「借金」や「贈与」といった言葉で表すことはないものの、日々の生活費はもちろん、家のローンや子育てにかかる費用に加え、「これまで家族を養ってきたのは自分」「家庭を支えるためにキャリアや将来を犠牲にしてきたのは私」といったそれぞれの貢献値を金銭に換算しようとした時に、お互いの主張が食い違うこともよくある。「金銭問題で納得がいかない」と離婚問題がこじれたり、長引いたりするケースも珍しくない。

そんな時にも解決の糸口となるのは、やはり「和解金」だ。お金のトラブルには、お金をもって応じる方法が効果的であるのは間違いない。感謝と誠意を示し、相手が納得できる和解金を渡すことで解決する問題は意外と多いのだ。小室氏の件も、もっと初期の段階で「借金ではないものの、お金を受け取ったのは事実。おかげで留学もできたし、今の自分がある。感謝の気持ちでお返ししますので、どうぞ収めてください」と問題解決に努めたほうが、法に携わる人間としてもスマートだったのではないだろうか。

離婚届の上で札束を引っ張り合うカップル
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夫婦問題のプロとして危惧する「嫁姑問題」

ところで、2人の結婚に関して金銭問題のほかにもうひとつ、夫婦問題のプロとして大いに気になる問題がある。それは、仮に2人が結婚するとした場合、小室氏の母親と眞子さまが直面するであろう嫁姑問題だ。

女手ひとつで息子を育ててきた小室さんの母親に、眞子さまが心酔しているという報道もある様子からすると、現在の関係は良好なのだろう。問題は結婚後、どこの家庭内でも起こる何かしらのトラブルがあった時、「小室さん母子VS眞子さま」という対立関係が生まれないか、ということだ。

というのもこれまでの経験上、多くの場合、結婚前から母親のことを擁護しすぎる息子は、結婚後に嫁姑問題が生じた場合、妻ではなく母親の肩を持つ傾向がある。その結果、「どうして私の味方になってくれないの?」と妻に不信感を抱かせることになり、夫婦関係は悪化の一途をたどる。