妻より子どもより「母さんが大事」
ところが、夫の返事は「ごめん、キミや子どもより母さんのほうが大事だわ」とNさんの想像を超えたものだった。Nさんは愕然としたという。さらにNさんを驚かせたのは、翌日になって事の顚末を報告した際の義母の言動だった。「義母は『よくぞ私を選んでくれたわ。それでこそ私の自慢の息子ね』と誇らしげに夫を見つめたのです」。
夫と義母、両者からの心ない仕打ちを受け、「離婚をすることへの踏ん切りがついた」とサッパリした表情で語るNさんは、実家に戻った。現在は、生まれてくる子どもの世話を両親にサポートしてもらいながら、自分は復職することを考えているという。
「妻ファースト」が円満の秘訣
母親のことを擁護しすぎる息子が結婚した場合、嫁姑問題は相当高い確率で生じるものだと思っていい。何かあるたびに自分の母親の肩を持つような夫を信頼し、支え続けるほうが難しいのは明白だろう。たとえ結婚前にどれだけ世話になっていようと、結婚後は「妻ファースト」で対応するのが円満な結婚生活を送るための基本。「なんだかんだ言っても、夫は私の味方でいてくれる」と妻が思えるかどうかが重要なポイントになる。
賢い夫なら、妻のいないところで母親には「お母さんを大事にしてもらうためにも、妻を立てておかないとね」といった言い方をするはず。妻の味方をしつつ、「もちろんお母さんのことは大切だよ」という気持ちをきちんと伝える方法を選択すれば、妻と母親のどちらも傷つけることなく、お互いの立場を守り抜くことも可能だからだ。
今回の小室氏の騒動に関しても、もしも「母親を世間の批判から守りたい」と思う息子の深い愛情があるならば、その“守り方”の戦略を変えるべきだろう。あきれるほど母親を擁護し、自分たちの正当性を言い募るより、時間をかけてでも誠実さが伝わる言動に終始したほうが世間は納得し、母親を守ることもできるのではないだろうか。