ただメモを取っても身にならない
一方で、「後で読み返したとき、何をメモしたのか自分でもわからない」「メモをとったことで安心してしまい、結局何も覚えていない」という人も多いのではないでしょうか。
●単語がいくつか書いてあるだけで、内容がまったく思い出せない。
●情報が多すぎて、どこに大事なことが書いてあるか、すぐにわからない。
このような、あまり役に立たない生産性の低いメモを、私は「汚メモ」と呼んでいます。
昔からメモ魔ではあったのですが、かつての私は、実は汚メモ製造機でした。
打ち合わせや取材で聞いたこと、本やネットなどで得た知識、思いついたアイデアなどをメモするのですが、どこに何を書いたかわからなくなったり、ただメモをとるだけで、情報が自分の頭の中にインプットされていなかったり、とにかく、メモが「思考を深めるための道具」になっていなかったのです。
そんな私が、「このままではいけない」と思い、考え出したのが、拙著『ロジカルメモ 想像以上の結果をだし、未来を変えるメモの取り方』でおすすめしているメモ術です。
この本では、汚メモを「次にやるべきことがわかり、仕事の効率が上がるメモ」に変えるための方法や、メモを使って考え、アイデアを生み出すための方法をいろいろとお伝えしていますが、ここでは、そのうちの一つを紹介しましょう。
5~10分の「一人会議」が汚メモを金脈メモに変える
汚メモを、生産性の高いメモに変える方法。
それは「一人会議」の時間を持つことです。
私は30分ほど時間をかけることもありますが、5~10分程度でもかまいません。
一人会議は、誰にも邪魔されない場所で行います。その時間は電話やメールも極力無視しましょう。
たとえば打ち合わせの後であれば、打ち合わせ中にとったメモを、一人会議中に整理します。その整理の仕方には、2つのコツがあります。
●特に大事だと思った1~3個の事柄を、ふせんに書き出す。
それだけで、ただ情報や事実を書き散らしただけの汚メモが、生産性の高い金脈メモに変身するのです。
私の場合、図のように、ノートの左ページにふつうにメモを書き、自分の言葉で言いかえたものを右ページに書くようにしています。
「普通のメモ」(左)とは、会議や打ち合わせの内容、本やネットから得た情報などのことです。
「メモの内容を自分の言葉で言いかえるって、どういうこと?」と思われるかもしれませんが、難しく考える必要はありません。