不得意なことに時間を割くのはコスパの悪い努力

任天堂の元社長・岩田聡さんにこんな言葉があります。

森泰輝『「ダメな自分」でも武器になる コンビニバイトはクビでも年商14億企業をつくった男の人生戦略』(扶桑社)
森泰輝『「ダメな自分」でも武器になる コンビニバイトはクビでも年商14億企業をつくった男の人生戦略』(扶桑社)

「自分の労力の割に周りの人がすごくありがたがってくれたり、喜んでくれたりすることってあるじゃないですか。要するにね、『それがその人の得意な仕事なんだ』って話で。

逆に、自分的にはすごい努力して、達成感もたっぷりあるのに、周りからは『はあ?』みたいに思われることもあって。それはね、本人が好きだったとしても、実は不得意なことかもしれないんですよ」(『岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。』「株式会社ほぼ日」刊より)

どれだけ努力をしたところで、不得意なことに時間を割いているのであれば、それはやはり「コスパの悪い努力」なのです。

みんなと同じように生きていては成功しない

そして、もうひとつが「自分が活きる場所を探す努力」です。自分を理解できても、それを正しく社会のなかで活かせなければ宝の持ち腐れです。

これまでは社会や会社が、あなたに場所を提供して、その「置かれた場所で咲く」ことが美徳でした。しかし、将来へのレールが敷かれなくなった現在では、自分の能力を発揮する場所は、自力で探さないといけません。

例えば、塾講師として大活躍し、「いつやるか? 今でしょ!」のフレーズでブレイクした林修先生は、大学時代から家庭教師のアルバイトをしていたところ「教えるのがうまい」と評価され、無職期間を経て塾講師になります。

しかし当初、現代文ではなく数学の講師になりたかったのに、他の人気講師の授業を見て「数学では勝てない」と悟ったそうです。そこで、授業をすべて見て回ったところ、「現代文なら、勝てる」と確信し、担当教科を変更したのです。

林先生はまず、「教えるのが得意」という自分の強みを見つけました。そのうえで、「強みを活かせる場所を探す努力」をして、現代文の講師という活躍の場を見いだしています。まさに、これからの時代に必要な努力の教科書です。

僕の経験上、「成功している」と思う人の大半が、林先生のような努力をしています。これまでなら、みんなと同じように生きることで、ある程度の成功を手に入れられたかもしれません。しかしこれからの時代は、それでは通用しなくなります。

「自分を知る努力」と「得意を活かせる場所を探す努力」。この2つをしなければ、いつまでたってもダメな自分に悩むことになりかねません。

人生は有限です。ないものねだりをしてコスパの悪い努力をくり返す時間はもったいないので、今すぐにでも、本来の自分を武器にする生き方にシフトチェンジをしていきましょう。

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