周囲の顔色が気になって意見がブレる、休みたいのに休めない……。「浮いてしまうのが怖い」「嫌われるのが怖い」という悩みに、医療界ではかなり浮いていると自認する精神科医で産業医の井上智介先生がアドバイスする――。
※本稿は、井上智介『どうしようもなく仕事が「しんどい」あなたへ ストレス社会で「考えなくていいこと」リスト』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
金髪アフロで活動する理由
本当はやってみたいことがあるのに、「自分のキャラじゃないかな」「変に思われるかな」「周りから浮くかな」などと考えて、心にブレーキをかけている人もいるかもしれません。
でも、やりたいことがあるなら、やってみればいいと思います。
これは私の話になりますが、私は3年ほど前から金髪アフロのウィッグをかぶり、赤ブチ眼鏡をかけて、インスタライブをしたりメディアに登場したりしています。
理由は、精神科のイメージを変えたかったからです。
世間的に、精神科というのは怖いイメージが強いため、「牢屋みたいな病院でしょう?」「海外ドラマみたいに足に鎖がつけられているんですよね?」という風に言われることがよくあります。
でも、実際は内科と同じようなものです。むしろ、リラックスしていただけるようにお花やインテリアを飾っていることも多いので、きれいなところが多いです。ただ、錯乱している患者さんを扱う入院施設があるところは、危ないものを置かないことになっているので殺風景ではありますが、牢屋という表現は違います。
隙のある医者を目指して
もしも自分や自分の家族が精神的な病気になって通院することになったとき、「精神科⁉ 牢屋みたいなところに通っているんだ……」と周りに思われるのは、嫌だと思うんですね。
だからまずは、どうやったらそういう怖いイメージを変えられるのだろうかと考えました。やっぱりお医者さん=隙がない。お医者さんは完璧な人だ。そういうイメージが強いと感じたので、「逆に、隙しかないような状態で出たらどうなるのかな」と思って、このスタイルにたどり着いた次第です。