「○○一筋20年」には賞味期限切れのリスクがある

「いそうでいない人材だけど、多くの企業がほしいと思う人」は、基本的にはタグの掛け合わせから生まれます。

同じ企業で同じような仕事を続けていく積み上げ型のキャリアは、一つのタグをひたすら強化していくようなイメージです。

確かに「○○一筋20年」という積み重ねには重みがあります。

ただ、一つのタグを強化し続けた結果、そのタグが賞味期限を迎えてしまったらどうなるでしょうか。

例えば、昔の鉄道の駅には、切符に改札ばさみを入れるのが手早くて正確な熟練の駅員さんがいました。流れるように乗客の切符をさばき、なおかつ定期券の期限切れまで指摘するような熟練の技を持つ人がいたのです。

しかし、今はご存じのように駅には自動改札が設置され、そもそも乗客が切符を購入する機会すら激減しています。もはや「切符を切る」というスキルのタグは消滅しています。それを踏まえると、タグの一点突破でキャリアを切り開くのはリスクが大きすぎるのがわかると思います。

新宿駅
写真=iStock.com/FhaSud
※写真はイメージです

そこで、タグをかけ算するという手法が役立ちます。タグを掛け合わせた結果、今のキャリアの延長線上とは少し違うポジションに行くようなイメージです。

タグを掛け合わせるときは、一つのタグの強みを活かせるような別のタグを選ぶのがポイントです。