変化の激しい時代に生き残るには、どうすればいいのか。元ヤフーのエンジニアで現在はリンクトイン日本代表を務める村上臣氏は「『○○一筋』のキャリアには、賞味期限切れのリスクがある。希少価値を高めるには『スキルのかけ算』を意識するといい」という――。

※本稿は、村上臣『転職2.0 日本人のキャリアの新・ルール』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

オフィスの廊下で喜ぶ男性
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社内と社外、どちらでも通用する働き方が必要

仕事は需要と供給が釣り合ったところに成立するものです。職業人としての自分の価値も、「市場」という物差しに当てることによって、初めて計測可能となります。

もちろん、社内でやりたい仕事を手に入れたり、昇進を狙ったりすることは重要です。

ですが、自社の中ばかりを見て社外との接点をおろそかにしてしまうと、いざというときに身動きが取れなくなります。

社内と社外の両方を常に見て、どちらのキャリアを選んでも「我慢しない働き方」が実現できるようにしておくことが肝心です。

前回の記事「「いまの会社に不満がある」という転職理由をポジティブに言い換える方法」で、“タグ”という考え方を紹介しました。

“タグ”とは、「法人営業」、「自動車業界」、「(顧客が)中小企業相手」などの経験や「コミュニケーション能力」、「誠実性」などの能力など、あなたという商品を想起させるためのフックとなるキーワードです。これらはすべてタグになります。

自分の市場価値を把握する2つの方法

自分の市場価値を知り、高めるということは、自分のタグを知り、タグの掛け合わせを増やしていくことです。

まずは、タグを意識しながら自分の職務経歴書を書いてみましょう。自ずと自分のタグが見えてくるはずです。

そして、自分のタグがわかったらSNSなどで発信することも大切です。発信することで、自分の持っているタグがどれだけ需要があるかが分かり、市場の中での自分の立ち位置を把握できるからです。

その後、今の自分がやっている仕事と同じような仕事の求人をチェックしてみてください。そこにはおおよその収入の目安も提示されています。

求人市場と比較して自分の収入が低ければ、自分の市場価値はもっと高いことが推測できますし、逆に求人よりも現在の収入が高ければ、実は好待遇で仕事をしているのがわかります。

後者の場合は、安易に転職を試みると、より厳しい条件で働くことになりかねません。

こういった人は転職以外の方法で自分の望むキャリアを模索しなければならないでしょう。