これを繰り返していくことで、部下のことがよくわかり、「印象」にとらわれずに、その人にとってベストなアプローチ方法が見つかって、驚くほど部下が成長していきます。

指導のPDCAを回す

「本当に?」と思われるかもしれませんが、「自分が部下になんて指導したのかを覚えていますか?」「それが結果を結んだかどうか、検証していますか?」という質問にYESと答える上司は非常に少ない。プランを立てて、実行して、検証して、修正するというのは、仕事の基本ですが、これが部下の指導に関してだとできていない人が非常に多いのです。

それをできるようになるためのツールが「部下ノート」なのです。

特にテレワーク下だと、接触機会が減少するため、どうしても上司と部下の間に溝ができやすくなってきます。

部下とあまり会わなくなるからこそ、メールやWeb会議でどういうアプローチをしたかをチェックして記録し、「印象」にとらわれずに、部下のことを見て、最善のアプローチ方法を探していくことはとても重要です。

1日1行で構いませんし、馴れるまでは、単なる悪口でも構いません。部下のことをよく見るくせを、そして部下のことについて、毎日記録する習慣をつけることが大切なのです。

部下の育成にそこまで時間がかけられないと思う方。部下ノートはそんなに時間がかかりません。5分もあれば書きあがるはずです。

望月禎彦、髙橋 恭介『1万人の部下をぐんぐん成長させたすごいノート術』(アスコム)
望月禎彦、髙橋 恭介『1万人の部下をぐんぐん成長させたすごいノート術』(アスコム)

そして、部下が成長すれば、一番得するのは、上司です。部下によって受けるストレスが減り、部署の成績が上がり、管理職としての評価は高まります。

さらに、会社が成長します。詳しい話は本書に譲りますが「部下ノート」を続けたことにより、営業のノウハウの伝達がうまくいくようになり、売り上げが前年比1.5倍になった、ミスの洗い出しで、3000万円のコストダウンになったといった成果が出ています。

今の状況では新しい人材の確保は難しいという会社の上司は、特に「部下ノート」をつけて、今いる社員を別人のように育てあげてみてはいかがでしょうか。

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