生活パターンを変えずに環境に配慮できる
一方で、SDGsへの問題意識はあっても、身近なものとして捉えなければ、つい「まだいいや」と先送りしてしまう。環境に配慮した商品を買いたくても、「わざわざ遠くまで買いに行かなきゃ」となれば、尻込みする人も多いでしょう。
こうした中、「日本の皆さんの従来の生活パターンを変えずに、サステナブルな選択肢を増やしたい」とカワバタさん。
21年春、日本でもループシステムの試験運用が開始されますが、専用サイトでの販売(当初は、東京都内を中心とした約5000世帯対象)のほか、一部イオンの店頭に販売コーナーが設置され、消費者は一般の商品を買うときと同じように購入できるとのこと。
牛乳瓶の要領で、容器を返却
ループの仕組みは、“あの”ビジネスに似ています。そう、戸別宅配の「牛乳配達」です。
参加するメーカーは、商品を「牛乳瓶」ならぬ再利用可能な容器に入れ、先のイオンやネット上の専用サイトなどで販売します。消費者は使い終わったあと、容器を返却。すると契約施設で洗浄された容器がメーカーへと運ばれ、そこでメーカーが中身を充填し、再び販売ルートに送り出される……という流れです。
この循環により、使い捨てのプラ容器は不要となり、プラごみの削減につながります。肝となる「専用容器」は参加メーカー各社が、洗って繰り返し使える(しかも強度がある)容器を、独自に開発するシステムです。
実はこの部分にこそ、ループがビジネスモデルとして成立し得る“秘密”が、隠されているのです。