最も森氏と近く、最も政治的な存在
「①女性のアスリートであるか」については申し分ない。これは誰も異論はないだろう。ただし、この基準は、小谷氏、有森氏、山口氏、荒川氏らも満たしており、決定的な要因にはならない。
「②森氏との距離感はどうか」について、橋本氏は不適格と言わざるを得ない。橋本氏は森氏の打診を受けて政界入り。森派(現・細田派)に所属した。橋本氏が森氏とツーショットで「父です」と語りほほ笑む姿がテレビで何度も放映されている。橋本氏は名の上がった有力候補の中で最も森氏に近い人物の1人でもある。「森氏の操り人形になるのでは」という疑問の目が向けられる。
「③政治色が薄く中立性があるか」についても同様だ。自民党所属の参院議員で現職の閣僚。橋本氏が会長に就任する場合、大臣規範に基づき閣僚との兼職は認められず、五輪相を辞任することになる。また、政治的中立を求める観点から自民党を離党する必要もありそうだ。議員辞職が必要との見方もあるが、こちらは回避される方向だという。いずれにしても、橋本氏は「政治色が薄く中立性を持つ」とは対極の人物といえる。