不満が大きくなるほど、エネルギーは削られていく

しかし、不満が大きくなるとそれを抑え込もうとするエネルギーも相応なものが必要となるので、時間とともに知らないうちにエネルギーが削られていきます。状況を打開できずに不満を言っている自分に対して自己嫌悪し、自信が持てなくなる。かといって環境を変えるという未来も、不安が強いので選択できない。苦しさが増して、イライラし、家庭内はもちろん、職場での人間関係も崩れてトラブルメーカーのようになってしまう人もいます。そうなると「私は世界一不幸だ」という物語に発展していることもあります。

下園壮太『自衛隊メンタル教官が教える 心をリセットする技術』(青春出版社)
下園壮太『自衛隊メンタル教官が教える 心をリセットする技術』(青春出版社)

エネルギー、自信、不安が悪化すれば、「やめる・やめない問題」はこじれ、さらにこの3つの要素が悪化します。逆に3要素のうち1つでも改善すれば、ほかの要素も改善する、つまり、3要素は相互関係にあるのです。

ならば、難題である「やめる・やめない問題」に取り組むためには、まずは体制作りが重要である、ということ。エネルギー、自信、不安の3要素をケアし、動けない自分を責めてさらに動けなくなる、という悪循環を止めましょう。

あなたが決断するときにも、その後行動するときにも、この3要素がどっしりしているほど、物事はうまく運ぶでしょう。この3要素が改善して、はじめて新しい物語が紡がれていくからです。

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