対処のコツさえ学べば、いつでも仕切り直しはできる

「やめる・やめない問題」と向き合うのは、苦しく、難しい作業ではあります。

選択肢
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しかし、どうせ悩むのです。その経験を「あれもこれも、全部、結果的にはよかったんだ」と肯定できるような経験にしていきたいですよね。

「やめる・やめない問題」への対処のコツを知らなかったがために、「経験」が後悔や挫折になってしまう、Bさんのような人はたくさんいます。

エネルギーも底をつき、自信をなくしているのに(だからこそ)、拡大する不安を打ち消すかのように一発逆転の行動を取る人がいます。今までの自分の物語を何とか保っていきたいのです。

充分に考えずに退職したり、転職したり、起業を計画したり。資格の試験にチャレンジしたり、ハクをつけようと海外に武者修行に行く人もいます。あるいは、勢いで結婚したり離婚する人もいます。

しかし、大概の場合、エネルギーがすぐに尽きてしまい、準備も充分でないためにうまくいかず、見切り発車をした自分に対して後悔し、いっそう自信をなくしてしまうのです。

当然、新しい物語も紡げません。

ただ、もしあなたが今挫折して、Bさんのように後悔ばかりしているとしても、「やめる・やめない問題」への対処のコツを学ぶことで、現時点から変わっていくことができます。どんなときでも遅くはない、ということも、私はよくクライアントにお伝えしています。本書を、そんな復活の道具に役立てていただきたいのです。

「私は不幸」と言っていても、悩みは解決しない

一方、やめられないままで動けず、苦しんでいる人もいます。悩んでいるけれど、「やめる」行動までは起こしきれない状態です。

パワハラ上司、精神的・肉体的暴力を振るう配偶者など、ストレス源が常にそばにある環境にいるということは、常にネガティブな刺激を受け続けていることを意味します。相手に怒りをため、今日も嫌なことばかりだった、と不平不満がつきまとう。だんだん、被害者意識がふくらんでいきます。「私は不幸だ」という物語を作り、周囲に愚痴は言うけれど、原因が取り除かれないのでいつまでたっても悩みは解決しません。

そこは割り切ってうまく気晴らしできる人もいます。環境に多少苦しさはあっても、文句を口に出してしまえば気がすむ、本人はたいして悩んでいない、というケースもあります。同じストレス源でも、人のエネルギーもとらえ方もまったく異なりますから、誰もがうつっぽくなるわけではありません。