所属するコミュニティが複数になると、自分自身がより満たされる
④人脈やサード・プレイスの確保
4つ目の効果は、コミュニティや人とのつながりを手に入れられることです。
「20代・30代の副業意識/実態調査」(d’sJOURNALによる2019年11月の調査)によると、副業を経験したことのある人に「なぜその副業を始めたのか」を聞いてみたところ、もっとも多かったのが「収入を増やしたい」でしたが、2番目に多かったのが、「いろいろなコミュニティに属したい・人と交流したい」というものでした。
社会人になると新しいつながりやコミュニティをつくる機会は減り、知り合うのは会社の同僚や取引先の人などに留まることが多いため、こうした希望を持つ方も少なくないでしょう。
実際に副業をしていると、会社だけでは得られないつながりや人脈がどんどん増えていきます。
サード・プレイスとは自宅と会社以外で心地よく過ごせる、文字どおり「3つめのコミュニティ」のことですが、仮にプライベートや本業の調子が悪いときにも、サード・プレイスで理解し合える仲間がいたり、励まされたりすると、メンタル的にも強くなるように感じます。
私自身、興味の範囲が広い性格なので、一つの業界や一つの役割に留まらず、所属するコミュニティが複数になることで、自分自身がより満たされるように感じています。
自分の世界が大きく広がるきっかけに
⑤社外で得た知識や経験を会社に還元できる
そして5つ目が、社外で学びの機会を獲得することによって得た知識や経験を、会社に還元できることです。
これは非常に大事なことだと思っています。私も副業で得た知見や人脈を本業で大いに活用していますが、③でふれた効果とはまた異なる、こうした本業と副業のシナジーが、自分を大きく成長させてくれると感じるのです。
エンファクトリーのメンバーで、新規事業の立ち上げを行っている松岡永里子さんも、同様のことを話しています。
松岡さんは副業でプレゼント用バルーンのECサイトでディレクターをしていますが、ECサイトの立ち上げからコンテンツ制作、ディレクション、集客や売上の分析、SEO対策なども行い、総合的に関わっているとのこと。
その副業で知り合ったフリーランスの方には、本業でのお仕事もお願いするなど、複合的なつながりを持てるようになったのがとても嬉しいと語っています。
また、クライアントとECサイトの話をする際も、自分の実体験をもとに具体的に話せるようになったそうです。
つまり、副業の経験によって自分の世界が大きく広がったといえるでしょう。
複数の職場や仕事に関わることによって、収入面やスキル面、精神面など、さまざまな側面で人生を拡張できるのです。そしてそれは、必ず本業への還元につながります。