※本稿は、清水正樹『専業禁止!! 副業したら本業成果が上がる仕組み』(小学館)の一部を再編集したものです。
アサヒビール、カゴメ、ヤフー……大企業が副業を次々許可する時代に
2018年に厚生労働省が「モデル就業規則改定」を発表して以来、副業に柔軟な姿勢を示す企業は徐々に増えてきました。
たとえば、大手企業であればソフトバンクやメルカリ、サイボウズ、タニタ、ロート製薬、ユニチャーム、リクルート、エイチ・アイ・エス、アクセンチュア、マイクロソフト、ヤフーなど。
さらに、2019年10月にはみずほフィナンシャルグループが、2020年1月にはアサヒビールが、4月からはカゴメが副業を解禁するなど、大手の製造業や金融業でも、こうした動きが進んでいます。
また、ヤフーでは、2020年10月から他社で本業の仕事を持つ人材を副業の形で自社の業務に受け入れることを決めるなど、副業人材の受け入れ体制の方も、少しずつ整ってきています。
今後はさらにこの動きが進むことが予想されますから、企業にとって社員の副業を許可することは、他社と差別化できるポイントになるでしょう。
それと同時に、「副業禁止」は企業にとってマイナスイメージになってしまう可能性もあります。副業や兼業を禁止していると、働く人の成長の機会や自由な意志を奪うことにもつながりかねないからです。
実際、私の周りでもすでに、転職先を考えるときには副業や兼業ができるかどうかが基準の一つになっているという人もいます。
また、今はまだ副業をしていなくても、将来的にはすることを考えているため、副業禁止の会社を対象外として見ている、という人もいました。
最近では50代以上の人にも「セカンドキャリア」という考え方が広がってきていますし、労働人口が減っていく分、労働力不足も顕著になっていきます。現在より転職人口も増え、転職活動も柔軟になっていくはずです。
そうした中では、企業も人をつなぎとめる工夫や、変化に対応する努力をしなければ、優秀な人が入ってこないばかりか、人材の流出にもつながりかねないでしょう。