タイでは宿泊施設が選べるが、廊下に出るのもNG
これまで紹介した3つの国と地域とは違いホテルが自由に選べたというのは、タイのバンコクに駐在員として派遣される前に奥さんと未就学児1人と隔離を経験した東里泰晃さんです。
「ホテルはピンからキリですが、私たちのような日本人駐在員の場合、長期出張や単身赴任しているビジネスマン用の高級サービスアパートメント的なところを選ぶ人が多いと思います。私は家族3人だったため2ベッドルーム(日本のマンションでいう2LDK)にしましたが、夫婦なら1ベッドルーム、単身者ならミニキッチンやランドリーのみがついたスタジオタイプの部屋にする人が多いようです」
ホテルの部屋から廊下に出ることも基本的には禁止です。
「でも7日目に受けるPCR検査結果が陰性であれば、8日目以降はホテルのプールサイドに出ることが許可されるんです。予約が必要で1日1回のみ、そして45分以内という制限がありますが、部屋に缶詰めでは大人も子どももストレスがたまるので、おおいに利用しました」
ゴルフコース付きリゾートも登場
食事は3食ホテルから、非接触で提供されるのもこれまで見た国や地域と同じです。
「日本のほか弁のようなプラスチック容器で出てくるのですが、レパートリーは豊富で、毎食4種類のメニューから選ぶことができます。日本企業の駐在員が多いバンコクだけあって、選択肢にはトンカツ弁当など日本食メニューも必ず含まれていましたし、いつも温かいものが出てきました。味は可もなく不可もなくでしたが、満足いかない人は有料のルームサービスも頼めます」
何かとストレスのたまる隔離生活ですが、ほほ笑みの国と称されるタイのおもてなしにも励まされたと言います。
「折り返し地点にあたる8日目には励ましのメッセージの入ったカードが届けられたり、最後の夜は隔離終了を祝って豪華なディナーが振舞われたりと、隔離施設の温かい心遣いを感じることも多い15日間でしたね」
東里さんによると、「タイ政府は最近、指定隔離施設に、国内各所のゴルフリゾートを追加しました。これら施設では、2週間の隔離中、感染予防対策をした上で、ゴルフを自由にプレーできるそうです」とのこと。入国者全員に強制隔離生活を求める一方で、温かくかつフレキシブルな対応で快適さも提供する柔軟さに感心した隔離生活だったそうです。