週明けにも「森辞任」が発表される可能性が

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が、自業自得ともいうべき女性蔑視の失言で大炎上した。発言を撤回した謝罪会見でも「逆ギレ」し、全世界の女性を敵に回すことになった。国会などでも菅義偉首相らが矢面に立たされ、これ以上東京五輪中止の世論が高まるなら「辞任は不可避」との空気が強まっている。

そうしたなか、元五輪担当相で自民党の丸川珠代参院議員(50)が後任会長に浮上している。この週末に水面下で「ポスト森」の人事をめぐる綱引きが行われ、週明けにも事実上の更迭にあたる「森辞任」が発表される可能性がでてきた。

東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長
写真=時事通信フォト
日本オリンピック委員会の女性理事増員方針をめぐる発言について記者会見する東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長=2021年2月4日、東京都中央区[代表撮影]

「面白おかしくしたいから聞いているんだろ?」

森会長は2月3日のJOC(日本オリンピック委員会)理事会の臨時評議員会で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」「女性の理事を増やしていく場合は、発言の時間もある程度規制しておかないとなかなか終わらない」と失言した。

さらに、それを撤回する4日の謝罪会見でも「面白おかしくしたいから聞いているんだろ?」「謙虚に受け止めております。だから撤回すると言っているんですよ」と居直った。

失言の多い麻生太郎副総理兼財務相とおなじく、森会長もまた「半径3メートルの男」といわれる。とにかく内輪では細やかな気配りをして、人を笑わせようとリップサービスする。それがジョークで通じると思っていたのだろう。だが、いまや猫も杓子もリモート時代である。3メートルどころか、オンライン中継されているなかで滑ったのだから、これは笑えない。「イット革命」や「神の国」発言など、過去の失言録まで米紙に蒸し返される羽目になった。

SNSでは「#森喜朗氏は引退してください」というハッシュタグまで登場し、拡がっている。森会長はいまや「日本の恥」的な存在となり、もはや誰ひとりとして弁護する貧乏くじを引きたがらない。