「軍事的挑発で危機をあおる瀬戸際戦術」は限界にある
朝日社説は指摘する。
「北朝鮮はこれまで、米政権の交代があるとみると、軍事的挑発で危機をあおる瀬戸際戦術を繰り返してきた」
「今回、静観を保っているのはバイデン新政権の出方を慎重に見極める狙いもあるのだろう。党大会そのものも、米大統領選の結果を踏まえるために日程を設定したとみられる」
バイデン政権の発足にからめて、北朝鮮がミサイルを打ち上げる可能性もあるだろう。金正恩氏はそうした節目にミサイルを打ち上げることによって「北朝鮮との交渉を忘れるな」と訴えたいのだ。
朝日社説は主張する。
「北朝鮮が新政権との交渉を実現したいのなら、少なくとも、危険な行動を自制し続ける必要があることを自覚すべきだ」
「バイデン政権には、対話と圧力を駆使して北朝鮮の危険性を和らげ、北東アジアの安定を図る周到な外交が求められる」
北朝鮮に自覚を強く求めるところは、前述の産経社説と同じだ。自覚を強要してもあの金正恩氏のことだ。それを逆手に取ってまた勇ましい言葉を乱発するに違いない。ここは国際的融和がいかに大切であり、北朝鮮の利益につながるかを金正恩氏に理解させるすべを探るべきである。