大阪・神戸で進める国際金融都市構想

【田中】国際金融都市構想は直近の四半期決算でも、相当力を入れてご説明されていらっしゃいましたし、北尾社長が大阪・神戸を勧める中、同じタイミングで、SBIホールディングスの社外取締役を務められている竹中先生は東京と仰っていました。

なんとか日本に香港の受け皿になるような国際金融都市をということだと思いますが、北尾社長の場合は国際金融都市構想に先ほどのデジタルアセットやSTO、トークンエコノミーなど、様々な物を集中して投入されてくるのかなと思います。そこにかける想い、戦略としてはどういうものがありますか。

【北尾】これは大変大きな事業です。これを成功させるために、SBIグループとして何ができるのか。STの流通市場をそこに作る、先物の世界の発祥の地である堂島の商品取引所を株式会社化して総合取引所にゆくゆくは変えていくとか、そういうことを具体的にやっていかないといけませんね。

あるいはベンチャー企業の誘致です。我々は世界中のベンチャー企業に投資をしており、特にフィンテック領域については世界でも極めて評価される投資集団です。その我々が投資したところ、これから投資するところにアジアの拠点として関西、大阪に来てくれと声をかけていくわけです。机上の空論ではだめですから。

東京は20年間失敗し続けている

【北尾】過去20年間、3度にわたって、東京を国際金融都市にという構想がありました。具体的に何を、誰がどう動いているのかと言うと、誰も動いてないのではないかと。世界的にみてもそういう話になっています。むしろはじめは、東京がロンドン・香港なんかよりずっと上だったのに、それが全部東京から香港に逃げてしまっているわけですね。そう考えると、東京はもう20年の間十分試してみたのではないか、3回大きな波が来て全部ダメだった。だから今度は大阪・神戸でやったらいいと、私は思うのですね。

ただ、どこでやろうとデジタルの世界は全部インターネットで繋がっているわけです。ですから東京、東京と言う必要性もない。大阪であろうがどこであろうが、すぐにそちらに簡単なオフィスを作り、そして全部電子的に情報は流れていくわけです。

【田中】そうですよね。そもそもデジタルアセットを扱う証券所な訳ですからね。