テストを効果的に活用する4つのコツ

つまり、テストを実力を知る道具としてしか見なしていない場合、二重の意味でもったいないことになります。

第一に、テストは実力を測らないという事実。

第二に、テストの一番の強みを生かしていない現状。

テストは学びを評価する道具ではなくて、学びを生み出す道具だと見直した上で、テストを上手に使っていきましょう。

テストを自分の学習にうまく取り込むための4つのコツが、アメリカのヴァンダービルト大学の教育局の公式サイトで紹介されています。以下を意識して、テストを学習に役立てられるように子どもをサポートしましょう。

1.ちょくちょく何を学んだか思い出すテストをしてみる。
2.学んだことを思い出しながらまとめる癖をつける。
3.学ぶ前に、これから学ぶことの診断テストをする。
4.テストや思い出し練習が、長期的な記憶や学習効果の向上につながること知る。

どれも、今すぐにでも始めることができます。特に4は、今日にでも子どもとの会話の中で伝えてみてはいかがでしょうか?

間違った学習習慣3 「同じ問題を反復練習させる」

多くの子どもにとってテスト同様身近なのが、学習ドリルによる反復練習です。

足し算、引き算、図形、文字の練習。世界中でさまざまな学習ドリルが存在し、教育者や保護者、子どもたちが手に取ります。

各ページに似たような問題が並び、繰り返し解いていく。特定のスキルや知識を身につけるのが目的で、特に幼児や小学校などの教育で用いられ、さまざまな学習効果が確認されています。

しかし、この「似たような問題を何度も繰り返し解く」という当たり前の学習方法が近年見直されつつあります。

なんらかの反復練習は学びに欠かせないプロセスであることは間違いありません。しかし多くの学習ドリルは、反復の回数や速度を強調しすぎています。

正しいだけではなく、速くできないといけない。

10回ではなく、20回、さらにそれ以上やることで、その問題に「慣れて」素早く解けるようになる。同じような問題を解くことで、パターンに慣れて、より速く答えを出せるようになるのは疑う余地のない事実です。

しかし、単純な計算や記憶問題を素早く答えていけるような能力だけでは、理解力や思考力は高まりません。

むしろ、同じような問題を同じような考え方で解いていく癖がついてしまい、柔軟な考え方や、違った視点で物事を見る力が未発達になってしまいかねません。早くできることとじっくり深く考えることは、脳科学的にも違う活動なのです。

スタンフォード大学の教育学ジョー・ボーラー教授はこの点を指摘するのに、何人かの大数学者の例を挙げています。数学の「ノーベル賞」といわれる「フィールズ賞」受賞者の中にも、子どもの頃計算が遅く、学習障害や数学苦手のレッテルを貼られた学者たちがいるというのです。