クリーニング屋の洗濯は家でもほとんどできる

繰り返しになりますが、クリーニング屋で水洗いできるものは、家の洗濯機でも洗えます。意外かもしれませんが、クリーニング屋には家庭用の普通の洗濯機も置いてあります。家庭用とまったく同じウォッシュタブ(洗い桶)もあって、手洗いもしています。つまり、ドライクリーニング以外は、家庭と同じことをしているのです。

ドライクリーニングショップで持ち主のピックアップを待っている衣類
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クリーニング屋じゃないとできないことというのは、みなさんが思っているより少なくて、要するに水に弱い衣類を洗う場合だけなのです。汗の汚れのついた学生服や、ワイシャツ、ダウンジャケット、セーターなどは、積極的に家で洗ってみてください。それで服をダメにしないのか、本当にキレイになるのか、心配ですか?

大丈夫です。その方法を、これから詳しくお教えします。

洗濯機でおしゃれ着を洗うコツ

洗濯と洋服を愛するボクたちとしては、デリケートなおしゃれ着は本来なら手洗いをおすすめしたいです。けれど、なかなか難しい事情もわかります。「家庭での洗濯禁止」の洗濯表示があるもの以外なら、洗濯機で洗っても構いません。

衣類にもっとも刺激のない、中性の液体洗剤を用意してください。

洗濯機の設定は、各メーカーで「おしゃれ着」「デリケート」「手洗い」「クリーニング」など、いろいろな呼び方がありますが、どれも通常コースと水の流れ方が違います。これらのコースは、水をかすかにゆり動かして衣類をやさしく泳がせる洗い方で、衣類が傷むのを防ぎます。ぜひ、活用してください。

脱水は「低速回転」を選べる機種は、それを選びましょう。それが選べなくても、洗いと脱水の時間は手動で以下の通り設定します。

洗い3分→脱水1分→すすぎ1回→脱水1分

タテ型洗濯機もドラム式も同じ。これがおしゃれ着洗いの理想です。すすぎ時間に関しては、どのメーカーも選べないのが普通です。だいたい5~7分の設定になっています。色落ちを避けたい色ものは裏返しにして、必ず洗濯ネットに入れて洗ってください。

洗濯ネットの空きスペースは、結んで衣類が動かないようにする

スカスカもギュウギュウもNGです!

シルク、ウール、カシミヤ、アンゴラなどの動物性繊維のものは、必ず洗濯ネットに入れてください。こんな単純なことで、縮みを防止できます。

シャツやブラウスなど、シワをつけたくないものも洗濯ネットへ。女性の下着など、型崩れを避けたいものも洗濯ネットに入れます。色ものも同様です。

本来なら、すべての服を洗濯ネットに入れて洗ってほしいくらいです。クリーニング屋では、一枚一枚、すべて洗濯ネットに入れています。家庭用と同じ洗濯ネットです。ただ、家庭ですべての服を洗濯ネットに入れるとなると、何枚ネットがいるのかという話になりますので、大切にしたい服だけでも、ぜひネットを使いましょう。